工場監査のポイントとは?第三者によるチェックで問題点を見直す


新しい企業との取り引きを安全に円滑に進めるためには、工場に訪問して現場を確認することが必要です。経営状態や製造工程の把握をするために、工場監査を行います。
工場監査は、新規取引先だけに向けたものではなく、既存取引先の工場技術・品質改善指導などが目的です。順調に工程をこなして生産している工場でも、工場監査で不備が発覚することももあります。要求しているとおりに商品が製造されず、製造後にトラブルが起こることも珍しくありません。工場だけに問題があるのではなく、しっかり工場監査を行わなかった企業も責任を負うことになります。
今回は、企業の信用・技術力・製品の仕上がりや精度などを確認するための工場監査についてご紹介していますので、安心できる企業間の取り引きに生かしてみてください。

  1. 工場監査とは?
  2. どのような部分をチェックされるのか?
  3. 監査の種類
  4. 改善のポイント
  5. まとめ

1.工場監査とは? 

工場監査は、目的を明確にして行うことが重要です。目的を持たずに事務処理のような監査を行うのでは、工場監査を行う意味がありません。明確な目的を持つ・チェックしたい監査内容を絞って行うことが求められます。

1-1.何を見極めるためのもの? 

取引先工場の現在状況、将来起こりうるリスクの予測を見ることになります。また、工場の生産レベルが、要求する品質レベルに到達することができるかもポイントです。求めているレベルにない場合は、改善点を見出(いだ)すことも目的とされています。

1-2.製品精度を確認する

依頼した製品が順調に生産されていることも重要ですが、製品精度は企業の信頼にかかわる重要な問題です。難易度の高い製品の場合、製品精度が十分でなければ損失も大きくなります。
工場は依頼されたまま作業生産していたとしても、生産後に十分な仕上がりになっていないなどクレームが起こることもあるでしょう。
クレームが発生するのは、双方に問題がある証拠です。依頼した企業は工場の生産工程や精度をしっかり確認し、技術レベルの把握と実現のために動かなければなりません。契約事項がきちんと遂行されているかの確認も目的となっています。

2.どのような部分をチェックされるのか? 

工場監査は、工場監査チェックシートを使って行います。確認漏(も)れや診断ミスなどを防ぐために、重要なチェックリストが記載されたものです。具体的には、どのような部分をチェックされるのか知っておきましょう。監査を受ける工場も、事前に準備を整えておくとスムーズに終えることができます。

2-1.作業工程と記録

生産にあたる作業工程とどのようなメンテナンスを実施しているかも、重要な確認事項になります。作業工程にムラやばらつきが目立つと、製品の品質も一定ではなくなり、生産そのものが安定しません。ばらつきのない作業にするためにどのような取り組みを行っているかを知るのが、メンテナンス記録です。記録を確認することにより、工場の誠実な姿勢も伺うことができます。

2-2.工場における5Sの徹底

5Sは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の頭文字を取った5つのキーワードです。工場管理者なら知っておくべき言葉であり、きちんと取り組んでいることが求められます。
整理は、必要なものを不要なものをわけて、不要とみなしたものは捨てることです。作業スペースと情報管理にも整理は用いられます。生産工程では、円滑に作業を進めるために次の段取りをしてあるなど、人為的なものもあてはまるでしょう。
整頓は、必要なものの置き場所がきちんと決められ、誰もがわかりやすいように表示されている様子を意味しているものです。
清掃は、常に環境美化に努め、工場全体で使いやすい状態にする取り組みを行うことを意味しています。清掃と清潔は連動し、清掃した状態を維持することです。また、工場に勤務する人と工場へ来社する人に不快な気持ちを与えない、気持ちのいい状態を保つことを意識しなければなりません。

2-3.原材料の保管について

生産に必要な原材料の保管方法についても、工場監査ではチェック項目となります。原材料にほかのものが混入しないよう配慮し、先出し先入れ(FIFO)をきちんと行うなど事故を未然に防ぐ努力をしている姿勢も大切です。床置きしている場合、事故や不良品発生リスクも高まります。

2-4.廃棄物のチェック

ゴミ箱の中にある廃棄物をチェックし、工場の生産効率も確認します。本来出るはずのない廃棄物がある場合、ミスによる損失が発生したことになるのです。ゴミ箱で、工場全体の不良率も見えてきます。

2-5.不良品の分別

まれに、不良品が出荷品に混入する事故が発生します。不良品は隔離されなければなりませんが、どのような原因で発生した不良かによって分別することも大切です。回収頻度なども着眼ポイントになります。
不良品を無造作にまとめておき、不良率など計算していない工場では改善が必要です。

3.監査の種類

工場監査には、3つの種類があります。自社を監査する内部監査(第一者監査)、利害関係のある取引先などが監査を行う第二者監査、ISO監査員による利害関係がないものによる第三者監査です。
監査は工場周辺の環境を確認し、ゴミなどの保管状況などもチェックされます。カラスやハトによるゴミの飛散で、工場敷地内の衛生環境が悪化するケースがあるからです。
敷地内への入場者をどのように確認しているか、防犯対策なども企業のリスクマネジメントとして評価されます。

3.改善のポイント

工場内では発見できなかった不備や気づきにくいポイントなど、第三者の目による診断を受けることで改めて認識することができます。
原材料を無駄なく使うことで不良率低下をめざし、生産過程を見直して作業効率アップも期待できるでしょう。
今後取り引きをしていくことができるかどうか、工場監査で判断することができます。工場監査では、問題点がどこにあるか探す目的だけではなく、問題点をいかに改善していくか、改善できる問題なのかを見極めるために行っているのです。
改善すべきポイントがあった場合の工場が取る対応も、重要なポイントになります。改善すべき内容は工場内で情報共有し、工場全体で徹底的にルール化して守っていくようにしましょう。企業の信頼にかかわりますので、危機管理意識は高く持つようにしてください。

4.まとめ

工場監査についてご紹介しました。

  • 工場監査とは? 
  • どのような部分をチェックされるのか? 
  • 監査の種類 
  • 改善のポイント

工場監査は、取引先の状況や起こりうるリスクを予測するために必要です。作業工程やメンテナンス記録にばらつきで、品質を一定に保つことができなくなります。出荷品に異物混入などの不良品が混じらないよう、不良品の保管方法も丁寧な処理が行われていることが大切です。
第三者によって工場監査を行うことにより、改善すべきポイントが見えてきます。問題点だけを改善することが目的ではなく、発生した問題点にどのような取り組みをしているかも評価の対象となっているのです。企業の信頼度を高め、安全で円滑な取り引きを行うためにも、危機管理意識を持って取り組むようにしてください。


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