組織をホモジナイズする方法を解説! 適したホモジナイザーも紹介
ホモジナイズとは物質を均一化することです。異なる大きさの粒子が混ざり合った状態の物質を均一化することで、品質を向上させることもできます。製品の製造過程でホモジナイズが欠かせないというものもたくさんあるのです。ホモジナイズを行う機械をホモジナイザーと言い、用途に応じてさまざまな種類があります。職場に新しいホモジナイザーを導入したいと検討している業者もいるでしょう。
今回は、ホモジナイズのやり方やホモジナイザーの種類・導入方法などを紹介します。
- ホモジナイズの基礎知識
- ホモジナイズを行う機械について
- ホモジナイザーを導入する方法
- ホモジナイズに関するよくある質問
この記事を読めば、ホモジナイザーを導入する際の注意点などもよく分かるでしょう。ホモジナイズについて興味がある人や、ホモジナイザーの導入を検討している人はぜひ読んでみてくださいね。
1.ホモジナイズの基礎知識
はじめに、ホモジナイズの定義やホモジナイズを行うメリットなどを紹介します。
1-1.ホモジナイズとは何か?
前述したように、ホモジナイズとは物質を均一化することです。2つ以上の物質が混じり合っている製品の場合、その中で物質の大きさや混ざり具合が異なっていることは珍しくありません。そのため、ホモジナイザーにかけて均一化することで、製品の質を高めます。また、組織のホモジナイズというのは、検査や特定の物質を抽出するために組織を壊すことです。
1-2.ホモジナイズを行っているもの
ホモジナイズは、食品・医薬品・化粧品・化学薬品と幅広い分野で行われています。たとえば、しぼりたての牛乳は、脂肪分が大きく、タンパク質や水分と分離していることもあるのです。そこで、ホモジナイズを行うことによって脂肪の大きさを均一化し、私たちがいつも飲んでいる牛乳を作ります。今は、「ノンホモ牛乳」といってホモジナイズを行わないことを売りにしている牛乳もありますが、ホモジナイズを行うことによって品質が変化することはありません。むしろ、物質の安定性が高まり品質が向上します。
1-3.ホモジナイズを行うメリット
前述したように、ホモジナイズを行えば物質の安定性が高まって品質が向上します。たとえば、牛乳はホモジナイズすることによって舌触りが滑らかになり、加工も容易になるのです。また、医薬品や化粧品もホモジナイズを行うことによって、品質がより向上します。組織をホモジナイズすれば、欲しい成分だけを抽出することが可能です。
2.ホモジナイズを行う機械について
この項では、ホモジナイザーの種類について解説します。
2-1.高圧式ホモジナイザー
高圧式ホモジナイザーとは、混ぜ合わせた物質同士を容器の中に入れ、高圧をかけて狭い隙間から広い場所へ押し出す装置です。高圧をかけることにより、物質の粒子が細かく砕けて、より均一に混じり合います。一度に大量の物質をホモジナイズできるので、工場でよく使われている機械です。
2-2.超音波ホモジナイザー
超音波ホモジナイザーとは、超音波を発生する端子を物質の中に入れ、振動を発生させて物質のホモジナイズを行う機械です。少量の物質を均一に乳化・分散化したいという場合に便利なので、実験室や研究室などでよく使われています。近年は、大量の物質をホモジナイズできるものも開発されました。
2-3.ダウンス型ホモジナイザー
ダウンス型ホモジナイザーとは、手動でホモジナイズを行うことができる装置です。ホモジナイズ中に温度が上昇しないので、組織をホモジナイズしてタンパク質を抽出するときなどに用いられます。一度にホモジナイズできる量はごくわずかです。研究室や病院などで使われています。
3.ホモジナイザーを導入する方法
この項では、ホモジナイザーを導入する方法や注意点を解説します。
3-1.導入するホモジナイザーを決める
前述したように、ホモジナイザーには大きく分けて3つの種類があります。ホモジナイズするものや、量を確認してホモジナイザーを選びましょう。たとえば、工場で多量の製品をホモジナイズする場合は、高圧式ホモジナイザー一択です。研究室等で用いる場合は、ホモジナイズを行うものによって超音波かダウンス型ホモジナイザーを選びましょう。
3-2.購入・レンタル・リユースについて
ホモジナイザーは、中古市場も活発です。ホモジナイザーの値段は数十万~数百万と幅があり、大型になるほど高価になります。ダウンス型ホモジナイザーも数万円が相場です。ですから、高圧式ホモジナイザーの中古品もたくさん出回っており、超音波ホモジナイザーのように小型機器はレンタルもたくさんあります。ただ、ダウンス型ホモジナイザーは新品の購入が一般的です。
1回だけ使いたいという場合や、いろいろな機器を試してみたいという場合はレンタルでもいいでしょう。また、あまり使用することはないが、ホモジナイザーは必要だという場合は、中古でも大丈夫です。一方、毎日大量の物質をホモジナイズ処理する場合は、信用できるメーカーから新品を購入するのが一番でしょう。
3-3.メンテナンスも大切
高圧式ホモジナイザーは、毎日多量の製品をホモジナイズします。当然、部品の消耗も激しくなるでしょう。ですから、定期的なメンテナンスも欠かせません。業者を選ぶ際はアフターフォローが充実しているところから購入するのがおすすめです。
3-4.三丸機械工業を利用するメリット
三丸機械工業では、高圧式ホモジナイザーを中心に多様なホモジナイザーを扱っています。ホームページからもご相談を受け付け中です。ホモジナイザーを導入したいが、まずはメーカーと相談をしたいという場合はぜひご利用ください。
4.ホモジナイズに関するよくある質問
この項では、ホモジナイズに関するよくある質問を紹介します。
Q.なぜ、組織のホモジナイズはダウンス型ホモジナイザーを用いるのでしょうか?
A.高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーは、使用中に熱が発生することもあり、組織が変質してしまう可能性があるためです。
Q.ダウンス型ホモジナイザーを使用すれば、組織からどのようなものを抽出できますか?
A.タンパク質のほか、DNAやRNAが抽出可能です。ホモジナイザーを用いれば、ほかの方法より組織破砕を丁寧に行うことができます。
Q.ダウンス型ホモジナイザーの中古品は出回っているでしょうか?
A.1つ数万円とホモジナイザーの中では安価でガラス製であることから、中古はほとんど出回っていません。
Q.高圧ホモジナイザーはどのような製品を製造するのに使われますか?
A.食品のほか、化粧品・顔料・医薬品などの製造工場で多く使われているのです。
Q.超音波ホモジナイザーは、どのくらいの大きさでしょうか?
A.卓上に乗る程度の大きさのものが一般的です。
まとめ
今回は、ホモジナイズやホモジナイザーについて解説しました。特に、組織から特定の物質を抽出する際、ホモジナイズはとても便利な方法です。また、ホモジナイザーの機能は新しいものほど高くなっています。10年以上同じホモジナイザーを使っている場合は、買い替えも検討してみてください。