液分離を確実に防ぐコツ|「止めない・汚さない」現場を実現するための知恵

油ミスト0.5mg/m3以下、圧損5kPa以内。この厳しい数値を守らなければならないとき、何をどう選べば本当に液分離が止まるのか……。配管図とにらめっこしながら、再飛散や液返りに頭を抱えた経験は、エンジニアなら一度や二度ではありませんよね。私も数えきれないほどの現場で、「理屈では上手くいくはずなのに、なぜか液が戻ってくる」という壁にぶつかってきました。

この記事では、難しい数式や専門用語は一度脇に置いて、現場で「本当に効く」対策のポイントを丁寧に解説します。読み進めていただくことで、ご自身のラインに最適な構成案がイメージできるようになりますし、トラブルのない運転管理への道筋が見えてくるはずです。現場の苦労を知る者同士、実体験に基づいた解決のヒントをお伝えしますね。

  1. 装置の「適材適所」を知る:各方式の得意・不得意
  2. 数字の裏付けを大切に:理想の設計を支える考え方
  3. 「液の出口」が運命を決める:配管とドレン設計の鉄則
  4. 見える化でトラブルを防ぐ:賢いモニタリングの進め方
  5. 信頼できるパートナー選び:最後にモノを言うのは「人」の知恵
  6. まとめ:迷ったときは、プロの診断を仰ぎませんか?

この記事は、次のような方におすすめです

  • ミストの目標値をクリアしたいが、どの装置を組み合わせればいいか迷っている方
  • 配管やドレンの不備による「再飛散」トラブルを本気で解決したい技術担当者
  • 長期的なメンテナンスコストや衛生面まで考慮した設備を導入したい方

1. 装置の「適材適所」を知る:各方式の得意・不得意

液を分けるための装置にはいろいろな名前がありますが、実はそれぞれ「得意な粒の大きさ」が違います。どれか一つで全てを解決しようとするのではなく、役割分担をさせることが成功の秘訣なのですよ。

例えば、大きな液だまりをガサッと落とすのが得意なもの(ノックアウトドラム)もあれば、遠心力で中くらいの粒を弾き飛ばすのが得意なもの(サイクロン)もあります。さらに、網目を通して細かなミストを捕まえるもの(デミスター)や、極小の粒を合体させて大きくする究極のフィルター(コアレッサ)まで。これらを「三段構え」で組み合わせるのが理想です。

まずは前段で大きな粒を落とし、中段で中くらいのミストを仕分け、最後に仕上げのフィルターで極小ミストを仕留める。この流れを丁寧に作ることで、初めて「0.5mg/m3以下」という厳しい基準が見えてくるのです。自分の現場には今、どの段階の対策が足りないのか。そこを見極めることから始めてみませんか。

2. 数字の裏付けを大切に:理想の設計を支える考え方

「なんとなく」で装置を選んでしまうと、後で必ずしっぺ返しを食らいます。液分離の世界には、ガスと液体の重さのバランスや、流れるスピードの限界点といった、無視できないルールがあるからです。

例えば、ガスの流速が速すぎると、一度捕まえたはずの液滴が再び風に乗って飛んでいってしまいます。これを防ぐには、計算に基づいた「余裕」を持たせた設計が欠かせません。数式を覚える必要はありませんが、現場の温度や圧力、液体の種類によって最適な「風速」が変わるということだけは、ぜひ覚えておいてください。捕集効率ばかりに目を奪われがちですが、風の通り道が狭すぎて「圧損(抵抗)」が大きくなりすぎないバランス感覚も、現場のベテランなら大切にしたいポイントなのですよ。

3. 「液の出口」が運命を決める:配管とドレン設計の鉄則

意外な落とし穴になるのが、分けた後の「液の逃がし方」です。装置がどれだけ優秀でも、配管の向きやドレンの出し方が悪いと、液が戻ってきてしまうのですよ。私も何度も「勾配(傾き)」の甘さに泣かされてきました。

配管のルートには適切な傾斜をつけ、液が溜まる場所(ドレンポット)には十分な容量を持たせる。そして、液を自動で排出する装置(自動ドレン装置)も、現場の条件に合ったタイプを選び抜くことが重要です。特に衛生管理が厳しい食品や医薬品の現場では、液が滞留して雑菌が繁殖しないような「サニタリー設計」も欠かせません。小さな継ぎ目や死角を一つひとつ潰していく。この地道な確認こそが、再飛散ゼロへの一番の近道になるのですよ。

4. 見える化でトラブルを防ぐ:賢いモニタリングの進め方

「止めない・汚さない」現場を維持するには、今の状態をリアルタイムで知ることが何よりの安心に繋がります。勘や経験だけに頼らず、数字に語らせる工夫をしてみませんか。

例えば、フィルターの詰まり具合を知らせる「差圧計」や、液が溜まりすぎていないかを見守る「液位計」。これらが画面に並ぶだけで、異常の予兆にいち早く気づけるようになります。「いつもより抵抗が強いな」「ドレンの溜まり方が速いな」という気づきが、大きな故障や品質トラブルを未然に防いでくれるのです。メンテナンスを「壊れてから」ではなく「適切な時期に」行う。このサイクルの確立が、結局は一番のコストダウンに繋がるのですよ。

5. 信頼できるパートナー選び:最後にモノを言うのは「人」の知恵

設備を選ぶとき、カタログの性能数値も大切ですが、それ以上に「誰から買うか」が大切だと私は感じています。現場の特殊な事情をどれだけ親身になって汲み取ってくれるか。そこに解決のヒントが隠されているからです。

性能曲線や納期だけでなく、トラブルが起きたときのサポート体制や、将来の改造まで見据えた提案があるか。現場で「言った言わない」のすれ違いが起きないような、信頼関係を築けるパートナーを選んでください。三丸機械工業のように、長年多くの現場で泥臭い経験を積んできたプロなら、図面を見ただけで「ここは液が戻りやすいですよ」といったアドバイスをくれるはずです。最後は「この人たちに任せて大丈夫か」という直感も、意外と侮れないものなのですよ。

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6. まとめ:迷ったときは、プロの診断を仰ぎませんか?

液分離の悩みは、方式の組み合わせ、配管の工夫、そして日々の管理という、一つひとつのパズルを正しく組み合わせて初めて解決します。一つひとつの判断が、製品の品質を守り、設備の停止を防ぐ大きな力になります。ここまで読んでくださった皆様なら、きっと現場の課題に立ち向かう勇気が湧いてきているはずです。

液分離のトラブルを解消するための、すぐできる3ステップ

  1. 今のラインを一周する:ミストが漏れている場所や、液が溜まっていそうな配管の「曲がり角」を自分の目で確認する。
  2. 数値を書き出す:現在のミスト濃度や圧力、温度など、分かっている範囲で状況をメモにまとめる。
  3. 専門家の意見を聞く:自分たちで解決の糸口が見えないときは、一度プロの現場調査を依頼して、第三者の目で見てもらう。

液分離の世界は一筋縄ではいきませんが、霧を晴らす方法は必ずあります。一人で抱え込まず、プロの知恵を借りることで、驚くほどスムーズに解決策が見つかることも多いのですよ。皆様の現場が、今日も明日も、淀みなく動き続けることを心から応援しております。

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