スキンケアに乳化は必須？ その理由や乳化の方法を解説
乳化とは、水と油のように混じり合わない物質同士を混ぜ合わせる技術のことです。乳化の技術は日常生活の至る所に使われています。一例をあげるとスキンケアに使われるクリームや乳液です。また、マヨネーズやドレッシングをはじめとする食品にも乳化の技術が活用されています。では、乳化はどのように行うのでしょうか？
この記事では乳化の方法や種類、スキンケア用品に乳化を使うメリットなどを紹介します。
- 乳化とはどのような状態？
- 乳化の種類
- スキンケア用品に乳化の技術が使われる理由
- スキンケア用品の乳化に使われる機械
- 乳化に関するよくある質問
この記事を読めば、乳化のやり方や活用方法、乳化に必要な機械のことなどがよく分かります。ホモジナイザーの導入を考えている人も、ぜひ参考にしてください。
1．乳化とはどのような状態？
乳化とは、水と油のような本来は混じり合わない物質同士を混ぜ合わせて安定化させる技術です。水と油を同じ容器に入れると水の上に油が浮かんだような状態になります。その容器を激しく振ると一次的に水と油が混じり合いますが、これが「乳化」です。しかし、そのままにしておけば再び水と油は分離してしまいます。それを防ぐために用いられるのが乳化剤（界面活性剤）です。乳化剤を用いることで、水と油は表面張力が弱まって混ざったまま安定します。
2．乳化の種類
乳化には2つの種類があります。この項で詳しく解説しましょう。
2-1．水中油型
水中油型とは、「o/w型（oil in water型）」ともいい、水の中に油滴が分散している状態となります。水が多めなのでべたつきが少なくスキンケア用品などを作る際に用いられる乳化方法です。
2-2．油中水型
油中水型は、「w/o型（water in oil型）」ともいい、油の中に水滴が分散している状態です。この場合は油が多めなので、耐水性が高くなっています。スキンケア用品の中でも、ウォータープルーフのファンデーションなど、汗や水で流れないことをウリにしているものに使われることが多い方法です。
3．スキンケア用品に乳化の技術が使われる理由
乳液をはじめとするスキンケア用品には乳化の技術が使われています。この項では、乳化がスキンケアに必要な理由などを解説しましょう。
3-1．スキンケア用品の役割
スキンケア用品とは、肌に水分や油分を補給して潤いや張りを与えるものです。水分だけ、油分だけではスキンケア用品はできません。肌に張り、潤いの両方を与えるには水と油の両方を同時に肌に補給させる必要があります。ですから、乳化技術によって水と油を混ぜた製品を作るのです。
3-2．乳化の方法でスキンケア用品の用途が変わる
前述したように、乳化には水の中に油の粒が浮いている状態の水中油型と、油の中に水の粒が浮いている状態の油中水型があります。水分が多ければ、乳液や保湿クリームになり、油分が多ければウォータープルーフのファンデーションや日焼け止め、というふうに、乳化の方法や水と油の割合の違いで用途が変わるのです。
3-3．乳化の技術進歩は化粧品の進歩
乳化は水と油、どちらかの中にもう1つの物質が球状になって浮かんでいる状態です。この粒が小さければ小さいほど、滑らかな乳化の状態になります。粒を小さくする技術は、乳化を行なう機械の進歩によって生み出されて発展してきました。化粧品は年を追うごとに落ちにくく、肌に馴染みやすくなっています。これは、乳化の技術進歩でもあるのです。
4．スキンケア用品の乳化に使われる機械
乳化をする機械には複数の種類がありますが、スキンケア用品を作る際に乳化を行なう機械には、高圧式ホモジナイザーがよく使われます。高圧式ホモジナイザーとは、圧力をかけて物質を押し出すことで物質の分子を細かくして高度な分散化や乳化が可能です。乳化は、手で激しく攪拌（かくはん）するだけでも可能ですが、大量の物質を素早く高品質な乳化を行なうには、ホモジナイザーが必須になります。高圧式ホモジナイザーにはいろいろな種類があり、製造ラインに組み込むことも可能です。
5．乳化に関するよくある質問
この項では、乳化に関するよくある質問を紹介します。
Q．乳化をしたら物質が変質することはないでしょうか？
A．ありません。乳化は本来混ざらないものを混ぜることなので、物質の状態はそのままです。
Q．ホモジナイザーは分散機ではないのでしょうか？
A．はい。分散もしますが、乳化も分散も物質の粒子を細かくして均一に混ぜ合わせるという点では同じなので、乳化にも使えます。
Q．ホモジナイザーは小型のものはあるのですか？
A．超音波式ならば小型のものはあります。
Q．自宅で乳化を行ないたい場合はどうすればいいですか？
A．泡立て器を使いましょう。電動ミキサーも利用できます。
Q．乳化は体に影響を与えるのでしょうか？
A．与えません。乳化はいろいろな場所で使われていて健康に影響することはないのです。
まとめ
今回は、スキンケアに乳化が使われる理由や乳化の方法などを紹介しました。乳化は、スキンケアだけでなく食品、顔料、医薬品などのさまざまな場所で活用され、また、乳化を行なうことで、新しい商品が生み出されてもいます。より高品質な乳化を行いたい場合は、ぜひ当社の高圧式ホモジナイザーの導入をお考えください。ホーム-ページからお問い合わせも可能です。