乳化装置とはどんなもの? 乳化の仕組みや装置の種類と共に解説

「乳化」とは、水と油のように、本来は混じり合わないものを混ぜ合わせることを指します。食品・化粧品・医療品など、乳化の仕組みを利用して作られている製品は数えきれません。乳化装置とは文字どおり乳化を行う装置のことです。乳化装置は、大量に乳化したり高品質な乳化を行ったりするときには欠かせません。

今回は、乳化の仕組みや乳化装置の種類、乳化装置を選ぶポイントなどを解説します。

  1. 乳化とは何か
  2. 乳化に用いる装置とは?
  3. 乳化装置の選び方
  4. 乳化に関するよくある質問

この記事を読めば、乳化装置お種類や特徴もよく分かります。乳化装置選びに悩んでいる方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてくださいね。

1.乳化とは何か

乳化とは、通常では混じり合わないものを混じり合わせて安定させることです。たとえば、水と油は通常混じり合いませんが、よく振れば一時的に混じり合います。これが乳化です。乳化の仕組みを利用した製品には、ドレッシング・マヨネーズ・顔料・インクなどがあります。なお、乳化には「水の中に油の粒が浮かんでいる状態」の水中油滴型と、「油の中に水の粒が浮いている状態」の油中水滴型などがあるので、覚えておくと役立つでしょう。

2.乳化に用いる装置とは?

この項では、乳化に用いる装置をご紹介します。どのような装置があるのでしょうか?

2-1.真空乳化機

真空乳化機とは、内部を真空に保ちながら物質同士を攪拌(かくはん)して加熱や冷却ができる装置です。1Lから12,000Lの大容量まで幅広い種類があり、工場の生産ラインに組み込むこともできます。

2-2.遠心乳化装置

遠心乳化装置とは、遠心力で物質を攪拌して乳化を行う装置です。低圧力での乳化が可能で、粘性の高い物質の乳化も得意としています。小型装置なので、主にラボや研究室などで使われている装置です。

2-3.マイクロチャネル乳化装置

マイクロチャネル乳化装置とは、1~100μmの均一径で乳化を行いたい場合の装置です。油、もしくは水に浮かべる分子の大きさを均一にすることができるので、より高品質の乳化ができます。こちらも小さい装置なので、研究や開発用としてラボなどで用いられるのが一般的です。

2-4.ホモジライザー

ホモジナイザーは物質を高密度で押しだしたり、超音波で分子を振動させて分子を物質内に均一に分散させたりする装置です。攪拌はしませんが乳化機同様の働きができます。真空型乳化機と同じく、大容量を一度に乳化できるので、工場などで使うのに適した装置です。

3.乳化装置の選び方

この項では、乳化装置の選び方について解説します。どのような選び方のポイントがあるのでしょうか?

3-1.乳化する物質の量で選ぶ

ラボや研究室用に作られた乳化装置は小型で、一度に乳化できる物質の量は少なめです。その分、高品質で乳化ができます。ラボ用の乳化装置を工場で使うのは難しいので、一度に大量の乳化をしたい場合は真空型がおすすめです。

3-2.乳化したい物質で選ぶ

攪拌型の乳化装置は粘性がある物質の乳化は苦手です。ホモジナイザーを用いましょう。また、少量でいいならば遠心分離型などがおすすめです。

3-3.乳化の質で選ぶ

どのくらいの質で乳化をしたいのか、それによっても選ぶ乳化装置の種類は変わってきます。おり高品質の乳化を行いたい場合は、それが可能な装置を選びましょう。

4.乳化に関するよくある質問

この項では、乳化に関するよくある質問を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

Q.乳化は攪拌装置ではダメなのですか?
A.ダメではありませんが、高品質な製品を望むならばやはり乳化装置を選んでください。

Q.乳化装置は、どのくらいの大きさですか?
A.ラボ用や研究室用ならば、卓上におけるサイズからあります。また、大きな装置だと一度に100L以上を乳化でき、生産ラインにも組み込めるサイズです。

Q.分散と乳化は違うんでしょうか?
A.原理は同じです。水性の物質同士の場合は分散、水性と油性の物質ならば乳化となります。

Q.ホモジナイザーも小型のものはあるんでしょうか?
A.はい。卓上サイズの製品もあります。

Q.ホモジナイザーも多量に物質の乳化が可能ですか?
A.はい。大丈夫です。

まとめ

今回は、乳化の仕組みや乳化装置の種類などを紹介しました。一口に乳化装置といっても、容量や方法によって複数の種類があります。乳化装置を選ぶ際は、どこで、どのような物質を、どのくらいの量乳化したいのか明確にしてからメーカーに相談しましょう。そうすれば、メーカーも適した商品を紹介しやすくなります。