工場の設備保全とはどんな仕事? 内容や重要性、向いている人を紹介

工場に勤めている人でも、設備保全の仕事はよく知らないという方は多いのではないでしょうか? 設備保全の仕事は目立つことがありません。しかし、工場が安全かつスムーズに稼働し続けるにはなくてはならない仕事です。エンジニア志望の方の中には、「将来は工場の設備保全に関わりたい」と思っている方もいるでしょう。

そこで今回は、工場の設備保全とはどのようなことか、仕事内容や重要性などを解説します。

  1. 工場設備保全の役割と重要度
  2. 設備保全の仕事内容
  3. 設備保全の仕事に向いている人とは?
  4. 設備保全に役立つ資格
  5. 工場の設備保全に関するよくある質問

この記事を読めば、工場保全の仕事に向いている方の傾向も分かることでしょう。工場保全の仕事について知りたい方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてくださいね。

1.工場設備保全の役割と重要度

はじめに、工場の設備保全がどれほど重要な仕事かを解説します。日頃のメンテナンスと何が違うのでしょうか?

1-1.設備保全は工場設備が安全に稼働し続けるために行う仕事

工場設備は正常に動いてこそ価値があります。そのため、工場設備は丈夫で安全性が高く設計、製造されているものです。しかし、急な故障が絶対にないといい切れません。工場設備の急な故障は製造計画が狂うだけでなく、労災につながることもあります。故障によって労災が発生すれば、工場の信用度も下がってしまうでしょう。設備保全はこのような事態を防ぐために行われる仕事の総称です。

1-2.設備保全とメンテナンスの違い

工場設備が故障しないように点検やチェックをする仕事というと、メンテナンスをイメージする方もいるでしょう。確かに、メンテナンスも設備保全の一種です。しかし、メンテナンスが設備の点検やチェック、設備の交換などに限られているのに対し、設備保全の仕事はもっと幅広くなっています。詳しい内容は次の項で説明しましょう。

1-3.地味だが工場が安全かつスムーズに稼働するには欠かせない仕事

設備保全の仕事は目立つことはありません。「故障が起こらないこと」が正常なので「仕事内容は同じ工場で働いている人たちにすらよく知られていない」ということもあります。ですが、工場が安全かつスムーズに稼働し続けていられるのは、間違いなく設備保全の人たちが頑張っているおかげです。

2.設備保全の仕事内容

この項では、工場の設備保全とはどのような仕事をするのか、その内容を詳しく解説します。

2-1.予防保全

予防保全とは、事故や故障が起こらないように計画的に保全を行う仕事です。事故の多くが部品などの経年劣化によって起こります。そのため、問題がなくても一定期間で部品を交換する「時間基準保全」、部品を劣化がない状態に保ち続ける「状態基準保全」が主な仕事内容です。タイミングを誤ると無駄が発生するので、こまめな部品チェックが重要になります。

2-2.予知保全

予防保全は状態監視保全とも呼ばれ、設備の状態を定常的に監視しする業務です。これにより、不具合の兆しが見られたらすぐに対応できるだけでなく、交換が不必要な部品まで交換してしまうような無駄を省くことができます。設備保全の中で最も新しい業務ですがその有効性に注目が集まり、導入する企業が増加中です。

2-3.事後保全

事後保全とは、機械や設備の故障や不具合が起こってから修理や点検を行うことです。メンテナンスもここに含まれます。かつて工場の説部保全は事後保全が中心業務でした。しかし、事故や故障が起こってから保全を行うのでは、工場の設備が止まってしまいスムーズな製造が滞ってしまいます。また、労災が発生するリスクもアップしがちです。そのため、事後保全を行う機会ができるだけ少なくなるように、予知保全や予防保全が生まれました。しかし、事後保全が必要になることもあります。

3.設備保全の仕事に向いている人とは?

設備保全の仕事に向いているのは、真面目で責任感の強い人です。前述したように設備保全の仕事は目立つことはありません。目立っては困る仕事です。独創性や個性を発揮する機会も少ないでしょう。しかし、とても重要な仕事です。機械いじりが好きで、同じ仕事をコツコツ続けていくことが得意な人も向いているといえます。

4.設備保全に役立つ資格

設備保全は特に資格がなくても就ける仕事です。しかし、設備によっては資格がないと保全ができないものもあります。その代表格が電気設備です。電気設備の保全工事が必要になると「電気工事士」の資格が必要になります。また、事業用電気工作物の保安監督を行うには、電気主任技術者の資格が必要です。この2つの資格を持っていれば、仕事の幅が広がります。このほか、機械保全技能士の資格を取得していれば、機械保全の技術を客観的に証明が可能です。転職や就職に役立つことでしょう。何か資格を取って仕事に役立てたいという場合は、この3つの資格から取りやすいもの、必要なものを選ぶのがおすすめです。

5.工場の設備保全に関するよくある質問

Q.工場の設備保全はオートメーション化できないでしょうか?
A.オートメーション化はある程度可能ですが、全く人の手が不必要になることはありません。どうしても目視による確認は必要です。

Q.工場の設備保全は夜勤があるのでしょうか?
A.工場にもよります。たとえば、昼に機械を止めることができない場合、大規模な定期点検は夜にやることもあるでしょう。その場合は夜勤となります。

Q.無資格で仕事をし続けるよりは、資格取得をしたほうが昇給などに有利でしょうか?
A.はい。特に電気主任技術者を取得すれば、資格手当がつく職場が多いでしょう。また、転職にも有利です。

Q.設備保全の給与はどのくらいでしょうか?
A.設備保全の平均年収は約414万です。しかし、資格や経験の有無によってもっと高い給与を得ている人もいます。熟練の技術者は引っ張りだこになっていることも珍しくありません。

Q.女性でも設備保全の仕事に就けますか?
A.はい。最近では女性エンジニアも増えており、需要も増加中です。

まとめ

今回は、設備保全の仕事内容や重要性などを解説しました。工場が安全かつスムーズに稼働し続けるためには、設備保全の仕事はとても重要です。常に一定の需要があり、長く働き続けることができるので、エンジニアを目指す方は就職先の候補に入れておいてもいいでしょう。