均質化とは? 必要なシーンや機械、導入のポイントなどを解説!
均質化とはホモジナイズともいい、製造現場や工場などで大きな役割を果たしています。異なる物質の粒子を細かくして均質にするために、ホモジナイザーと呼ばれる機械が必要です。ホモジナイザーなどの機械は用途によって適切な種類が異なるため、慎重に導入しなければなりません。
そこで本記事では、均質化のメリットから必要な機械の導入ポイントなどについて解説します。
- 均質化とは?
- 均質化のための機械は?
- 均質化装置を導入するためのポイント
- 均質化に関してよくある質問
この記事を読むことで、均質化とは何かや適切な機械の導入方法などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.均質化とは?
まずは、均質化とはどのような意味なのかと、そのメリットをチェックしていきたいと思います。
1-1.成分・密度・品質にムラがない状態
均質化は、「成分や密度、また品質などにムラがなく一様であること」という意味です。つまり、異なる物質を混ぜ合わせた物質のどの部分をとってもムラがなく、性質・状態が同じにすることを均質化といいます。すべての物質の粒子が均一にそろっている状態なのです。
1-2.代表的な例は牛乳の均質化
均質化はホモジナイズとも呼ばれており、代表的な例に「牛乳の均質化」があります。しぼったばかりの牛乳には、直径0.1~20μmほどの脂肪球が混ざっており、バラつきがある状態です。均質化していない牛乳は、時間が経過すると脂肪球が上部に浮上しクリーム層を作ります。クリーム層ができていない下の部分は脂肪球が少なくなっているため、クリーム層とはまったく違う味になるのです。このままでは、一定の品質を保ちながら製品を作ることはできません。
そこで、役立つのか均質化です。脂肪球を均質化することで長時間放置しても、脂肪球が浮上しにくくなり、脂肪球の割合が一定します。つまり、牛乳の均質化を行うことで最初の一口も最後の一口も同じ味になるのです。
1-3.品質を保ち続けることができる
均質化の大きなメリットは、一定の品質を保ち続けることができる点です。異なる物質を同じ性質にするためには、均質化が必要不可欠となります。均質化を行わないノンホモジナイズの状態では、異なる物質が混ざり合わず、安定した製品を生み出せず消費者へ提供できません。均質化を行い品質が安定すれば、高品質な製品を提供し続けることができるでしょう。
1-4.加工しやすくなる
均質化を行うメリットは、加工しやすくなるという点にもあります。たとえば、牛乳からチーズなどに加工する場合は、成分を均質にしないとおいしいものができません。きちんと均質化しなければ、加工できない製品は思っている以上にたくさんあります。食品関係だけでなく、医療・美容分野、化学など幅広い分野でも加工しやすい点が大きなメリットを生み出しているのです。
1-5.より滑らかに、溶けやすくなる
実際に、均質化された状態の物質を見れば分かりますが、とても滑らかで溶けやすい性質になります。細かい粒子がそろっているため、浸透しやすくなるのです。たとえば、化粧品は肌の上で伸び、均質化することでより肌になじみやすい性質に変わります。医薬品においても複数の物質を混ぜ合わせ、均質化することで血管や胃の中で溶けやすくなるというわけです。より滑らかに、溶けやすい状態にすると、高品質な製品を作ることができます。
2.均質化のための機械は?
では、物質を均質化するために必要な機械はどのような特徴があるのでしょうか。
2-1.ホモジナイザーで液体中の粒子を統一する
均質化のために使用する機械は、ホモジナイザーと呼ばれるものです。ホモジナイザーは、液体中のさまざまな大きさの粒子を統一する働きを持っています。複数の物質を混ぜ合わせる過程がある企業や工場では、必要不可欠な機械といえるでしょう。ホモジナイザーを上手に使うことで、物質が液体の中に溶けやすくなり、浮遊や沈殿を起こすことはありません。安定した生産や品質の維持にもつながる重要な機械の1つです。
2-2.原理は「高圧力」と「ホモバルブ」
ホモジナイザーの原理は、高圧力とホモバルブの2つが大きなポイントとなります。高圧力をかけた液体がホモバルブを通過すると、液体中の粒子が小さくなるのです。高圧力とホモバルブで、液体の中に含まれている粒子を粉砕・分散・微粒化できます。この2つの原理がなければ、ホモジナイザーとしての役割を果たすことはできません。以下に、高圧力とホモバルブの仕組みと流れをピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。
- 液体に高圧力をかける
- 高圧・低速で流し込んだ液体をホモバルブで強く圧縮する
- 液体は狭いすき間から放出される
- インパクトリングと呼ばれる部位に衝突し、さらに液体中の粒子が粉砕する
2-3.流量・圧力・動力・加圧方式による違い
ホモジナイザーの種類は、流量・圧力・動力・加圧方式の違いで分かれています。たとえば、高圧ホモジナイザーは、超音波式ホモジナイザーに比べて、より大量の物質を小さな微粒子に均一化できるのが特徴です。アセプティックホモジナイザーは、シリンダーブロックの後部に密封式スチームチェストを設置することで、雑菌を徹底的にカットできます。研究者を対象に構成されたラボスケールホモジナイザーは、コンパクトなサイズで全自動サンプリングがボタン1つでできるという優れものです。このように、目的や用途によって最高圧力・処理量などが異なります。
2-4.ホモジナイザー利用の目的を明確にすることが大事
ホモジナイザーは、使用目的や用途によってさまざまな種類と構造に分けることができます。たとえば、内部を無菌状態にできるアセプティックホモジナイザーは食品・医薬品・化粧品分野、ラボスケールホモジナイザーは研究用など、用途によって使い分けることが重要です。なので、まずはホモジナイザーを使用する目的をハッキリさせてください。どんなときに、どういう目的でホモジナイザーを使うのか、改めて考えましょう。
2-5.利用分野が幅広いホモジナイザー
ホモジナイザーが使われる場面はたくさんありますが、代表的なのは食品、ケミカル・化学、医薬品・化粧品の3つの分野です。特に、代表的な例の牛乳のような食品関連では、ホモジナイザーが重宝されています。ケミカルや化学、医薬品・化粧品の分野でも、複数の物質を混ぜ合わせる際に使われる機械です。化粧品には、クリーム・美容液・乳液など水分と油分が含有している種類があります。本来、水分と油分は混ざり合わないものですが、ホモジナイザーによって異なる物質を同じ性質に変えることができるのです。
2-6.研究分野でも大活躍している
コンパクトサイズのホモジナイザーは、研究分野でも大活躍している機械の1つで、女性でも簡単に扱えるシステムと構成・デスク上に収まるサイズが特徴です。研究用のホモジナイザーを使用することで、作業の効率化が上がるだけでなく、少量サンプルからのテストもできるようになります。限られたサンプルでもロスが少なく、コストも最小限に抑えられる点が大きなメリットといえるでしょう。
3.均質化装置を導入するためのポイント
ここでは、均質化装置(ホモジナイザー)の導入方法とポイントを解説します。導入を検討している方は要チェックです。
3-1.ホモジナイザーの選び方
まずは、使用目的に見合ったホモジナイザーにしぼるのが基本です。さらに詳しい種類や導入アドバイスは、ホモジナイザーの専門業者に相談してください。どこで何のために使用するのかヒアリングだけで適切な種類をピックアップしてくれます。どのような質問に対しても、丁寧かつ分かりやすく説明してくれるかチェックしましょう。より適切なホモジナイザーを選ぶためには、信用して依頼できる業者を見つけることが大切です。
3-2.技術相談を受けつけているか
業者選びのポイントで重要視してほしいのは、技術相談の有無です。ホモジナイザーの構造や仕組み・役割・最新式モデルなどに詳しい知識を持っている業者は、無料で技術相談を受けつけています。どのような質問に対しても分かりやすい説明を受けることができるため、安心してホモジナイザーの導入が検討できるでしょう。技術相談を行っていない業者では、いざというときに対応してくれない傾向があります。故障や不具合が起きても、すぐに対応してくれる業者を選ぶのも大切なポイントです。
3-3.テスト機の貸し出しを行っているか
実際に現場で使ってから検討したい場合は、テスト機の貸し出しサービスを活用してください。優良業者の多くは、テスト機の貸し出しを行っています。実際に、限定期間中だけホモジナイザーを使用することでどのような効果が発揮できるのか実感できるでしょう。テスト機を使用すれば必ず購入しなければならないというわけではないので安心してください。ただし、試用期間・導入と返却の流れなどを確認することが大切です。
3-4.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
スタッフの対応が丁寧でスピーディーか否かも、業者選びで押さえておきたいポイントです。ホモジナイザーは高額な機械なので、きちんとスタッフの対応がいい業者でないと任せられません。スタッフの対応が悪くアクションが遅い業者は、悪徳業者の可能性が高いでしょう。「申し込みをして入金も済ませているのに、いつまでたってもホモジナイザーがやってこない」というトラブルも起きているので十分に注意してください。
4.均質化に関してよくある質問
均質化に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.超音波ホモジナイザーとは?
A.超音波を使って物質を均質化する種類です。発振機から送られた超音波が振動子によって振動に変換します。溶液中で振動が起こると、加圧と減圧をくり返し大きな振動波が起こり、分子が砕けて均一になるのです。コンパクトなものが多いのも特徴の1つでしょう。また、超音波ホモジナイザー=大量の液体処理ができないという問題がありましたが、近年の技術力向上で改善しています。
Q.ラボ機とライン機の違いは?
A.ラボ機は製品テストや試作品を作る上で、少量のサンプルを使用する研究用の装置を指しています。卓上型で省スペースでも設置できる点が大きなメリットです。一方のライン機は、導入する工場に合わせてサイズや処理量などを決めることになります。大規模なプラントでも安定した生産が可能になり、シンプルな構造となっているのでメンテナンスのしやすさが特徴です。
Q.ホモバルブはどんな形をしているの?
A.種類によって異なりますが、多くは山型または平型をしています。流す液体の種類によって均質効果が異なるため、その種類に合わせてホモバルブの形状を選択するのが基本です。一般的に、山型のほうが平型よりも均質を行う部分の面積を広く確保できます。
Q.定期的なメンテナンスは必要?
A.ホモジナイザーを安心して使い続けるためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。自分たちで行えるメンテナンスは、いつもと異常がないかどうか確かめることだけですが、技術的な面では専門家に依頼したほうがいいでしょう。定期的なメンテナンスを行っている業者かどうか確認してください。
Q.おすすめの業者は?
A.高圧ホモジナイザーの専門メーカーである三丸機械工業株式会社がおすすめです。高圧ホモジナイザーは、ほかの種類よりも高度な乳化と分散を得意としています。ラインナップを豊富にそろえているほか、技術相談や無料見積もりも受けつけているので、お悩みの方はぜひ1度ご相談ください。また、テスト機の貸し出しも行っています。どのような質問に対しても丁寧にお答えいたしますので、ご安心ください。
まとめ
均質化(ホモジナイズ)は、異なる物質の粒子を細かく均等にするための重要な過程です。均質化するためには、ホモジナイザーと呼ばれる特殊な機械が必要となります。ホモジナイザーはさまざまな種類があるので、用途にあわせて選ぶのがポイントです。できれば、テスト機で1度試してから購入を決めるといいでしょう。販売業者の中には、テスト機の貸し出しや技術相談を受けつけているところもあります。ホモジナイザーの機械に詳しい業者は、安心して依頼できるのでおすすめです。