乳化機とはいったい何? 乳化の仕組みや原理について解説!
乳化もしくはエマルジョンという言葉を聞いたことがありませんか? 「聞いたことはあるけれど何だかわからない」という方も多いでしょう。でも、乳化やエマルジョンは私たちの身近な製品でも行われています。実は、乳化によって生活が便利になっているということがたくさんあるのです。
今回はそんな乳化を行うことのできる乳化機についてご紹介しましょう。乳化の原理や乳化分散機についてもご紹介しますので、会社に乳化機を導入したいという方はぜひ参考にしてください。
- 乳化とは?
- 乳化分散機とは?
- 乳化分散機の選び方は?
- 乳化と健康の関係は?
1.乳化とは?
この項では、物質を乳化させる意義やその方法をご紹介します。乳化自体は人間がはるか昔から行ってきたことなのです。では、現代はどのくらい乳化は進歩したのでしょうか?
1-1.乳化とはどういうこと?
乳化とは、本来は混じり合わないもの、例えば水と油などが混じり合った状態のことを言います。この乳化した状態のことをエマルジョンといいます。「エマルジョン燃料」とか「エマルジョン塗料」という名前を聞いたことがありませんか? ふたつの物質を乳化することで、さまざまな効果が得られます。乳化は、食品・燃料などの工業用品・化粧品、さらに医薬品でも盛んに行われているのです。
1-2.人類は昔から乳化を行ってきた
「乳化」というとなにやらものものしい感じがしますが、「かき混ぜることによって本来は混ざらないものを混ぜ合わせる」という行為は昔から行われてきました。例えば、マヨネーズとドレッシングを比べると、マヨネーズのほうが舌触りが滑らかです。つまり、乳化とはものを滑らかに感じさせ、物質をより均一にする効果があります。これを利用したものが、バターやチーズなどの乳製品や化粧品です。乳化が優れた化粧品はさらりとしていて肌の上でよく伸びます。
さらに、バターやチーズを作る際はまず牛乳をよく撹拌(かくはん)して中のタンパク質や脂肪の粒を壊して成分を均一化するのです。これをしないと、美味しいチーズやバターができません。昔の人は乳化という言葉や原理は知らなくても、よく混ぜ合わせることで、物質が混じりあったり滑らかによりおいしくなることを経験で知っていたのです。
2.乳化分散機とは?
さて、物質の乳化がわれわれの生活になくてはならないものだ、ということがわかっていただけたと思います。物質を乳化させるための一番簡単な方法はよくかき混ぜることです。混ぜれば混ぜるほど、物質はより滑らかに乳化されていきます。では、巨大な攪拌機があれば、乳化はできるのでしょうか?
いいえ、現在、企業が求めている乳化とはより分子を細かく、均一にする乳化方法です。単に撹拌をするだけでは分子が均一にならずむらができてしまうでしょう。そこで開発されたのが乳化を専門に行う乳化分散機、ホモジナイザーなのです。ホモジナイザーは、食品、工業用品、医薬品、化粧品とさまざまな分野で使われています。それに合わせてホモジナイザーもよりたくさんの種類がつくられるようになりました。
ホモジナイザーは、種類によって
- より細かく均一に乳化できるようになるもの
- コンパクトで少量のものでもきれいに乳化できるもの
- たくさんのものを一気に乳化できるもの
などがありますから、使い道に合わせて選ぶことが大切です。
3.乳化分散機の選び方は?
自社にも乳化分散機を導入したい、という場合は、まずは以下のことをチェックしましょう。
- 乳化したいものはなにか?
- 乳化分散機を置く場所の広さや高さ
- 乳化分散機にかけられる予算・維持費にかけられる予算
古くなった乳化分散機を買い替えたいという場合も同じです。技術の進歩は日進月歩ですから、10年前の機械よりも最新型他の機械は格段に進歩していることでしょう。さらに、乳化分散機は何を乳化させるかによって、性能が違います。より細かく、均一に乳化できる機械ほど高価ですから、乳化させたい物や量によって機械をえらびましょう。
また、乳化分散機を導入するには、維持費のことを忘れてはなりません。より高度な乳化分散機の中には、電気代がかかるものもありますし、メンテナンスがこまめに必要なものもあります。現在はホームページで機械が選べるようにもなりましたが、できましたら販売員に直接特徴や使い方などを聞いてから選びましょう。
4.乳化と健康の関係は?
最近は、「ノンホモ牛乳」などといって、乳化を行っていないことを強調する商品もでてきています。ノンホモとはノンホモシナイズ、つまり乳化を行っていないということですね。このような商品が出てくると、乳化は体に悪いのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、前述したように、乳化はずっと昔から人類が経験で行ってきた方法です。ノンホモ牛乳を見ていただければわかると思いますが、牛乳の表面にうっすらと脂肪の膜がはっています。これが乳化をしていない牛乳の特徴です。
搾りたての牛乳もこんな感じですが、牛乳を飲むと、脂肪分だけがビンに残ったり、味にむらがあったりします。ただ飲む分には構いませんが、料理を作ったり加工品にするには不向きです。
おわりに
今回は乳化の原理や方法・乳化分散機の特徴などについてご紹介しました。
まとめると
- 乳化とは本来混じり合わないものを混じり合わせること
- 乳化をすると舌触りが滑らかになったり、物質が均一化する
- 乳化は食品から化粧品まで幅広い分野で行われている
- 乳化をする専門の機械を乳化分散機、ホモジナイザーという
ということです。乳化は幅広く生活の中で行われている行為ですが、いったいどういうものなのか、どういう作用があるのかを理解している方は少ないと思います。さらに乳化にも色々な種類があり、乳化分散機もそれに合わせて作られているのです。ですから高価で高性能な機会を買えばよい製品が作られるというわけではありません。自社の製品に合った乳化分散機を購入することが大切です。また、乳化分散機は年々進歩していますから、10年以上前の乳化分散機を使用しているという方は一度買い替えをご検討してみてはいかがでしょうか?