食品検査に活用できるホモジナイザー!活用事例や方法・特徴を紹介

ホモジナイザーは、物質を乳化・均質・分散する際に使われる機器です。食品会社や医薬品会社、大学や企業の研究室など幅広い場所で使われています。

また、ホモジナイザーは食品検査にも活用されており、食品の安全性等の確認などに欠かせません。

今回は、ホモジナイザーを使用して行なえる食品検査の種類や実例を解説します。

  1. ホモジナイザーの用途や必要性
  2. 食品検査の役割と必要性
  3. ホモジナイザーを食品検査に活用する方法
  4. ホモジナイザーを食品検査に利用するメリット
  5. ホモジナイザーを利用した食品検査の事例

1.ホモジナイザーの用途や必要性

はじめに、ホモジナイザーの用途や必要性を紹介します。ホモジナイザーは実験や高品質な製品を製造する際に欠かせません。

1-1.ホモジナイザーの用途

ホモジナイザーは、物質を乳化・均質・分散する際に使われる機器です。個体でも液体でも、物質は成分ごとに大きさが異なります。それを撹拌したり高圧で狭い空間から押し出すことにより、成分の大きさを均一化したり均等に混じるようにしたりするのです。食品・化粧品・医薬品・顔料などを製造する工場では欠かせません。ホモジナイザーを使うことで、同じ物質を使ってもより性能が向上します。

1-2.ホモジナイザーの必要性

ホモジナイザーがなければ、食品や化粧品など多くの製品が現在の品質を保てません。牛乳を例に取ると、市場に流通している製品のほとんどが、ホモジナイザーにかけられて品質を均一化されています。もし、ホモジナイザーをかけないと牛乳の中にある脂質やタンパク質が分離し、品質が安定しません。加工にも影響が出る可能性があるでしょう。医薬品や化粧品なども同様です。また、ホモジナイザーは大学や企業の研究室で、実験や製品開発にも活用されています。ホモジナイザーは高品質な製品を作るために欠かせない器具です。

2.食品検査の役割と必要性

ここでは、食品検査の役割や必要性を紹介します。食の安全を守るために、食品検査はどのような役割を担っているのでしょうか?

2-1.食品検査とは何か

食品検査とは、以下2つの目的で実施する検査です。

  • 食品の成分や機能・原材料を調べる
  • 食品の衛生状態を調べる

食品にはさまざまな材料が使われています。加工されてしまえば、どのような材料が使われているか分からなくなり、安全性の証明が難しくなるでしょう。そのため、食品検査を行なうことで原材料をはっきりとさせて安全性を証明できます。また、食品検査は食品の衛生状態を調べることも可能です。たとえば、食品ができあがったときに1つを食品検査に回せば、安全に食べることができるかどうか分かります。

2-2.食品検査の必要性

食品検査は、食品を安全で衛生的なものであると証明するだけでなく、食中毒が起こった際の原因究明や再発防止に役立ちます。衛生面をいくら強化しても、食中毒を完全に防ぐことはできません。食中毒が発生した際、食品検査をすることで原因を突き止められます。また、どのような細菌が発生して食中毒が起こったか分かれば、再発防止の策も立てられるでしょう。食品検査は、食の安全を守るために欠かせない検査です。

3.ホモジナイザーを食品検査に活用する方法

ホモジナイザーは、食品を分解して特定の成分を抽出する機能もあるため、食品検査用専用のホモジナイザーがさまざまな場所で活用されています。食品検査に利用されているホモジナイザーの特徴は以下のとおりです。

  • 食品を破砕することで、微生物の抽出が可能
  • 微生物の抽出は30~60
  • 検査に必要な食品の量は5ml~

ホモジナイザーにはさまざまな種類がありますが、食品検査ができるホモジナイザーはおおね小型です。短時間で微生物を抽出できるので、できあがった食品が衛生的かどうかもすぐに検査できます。

4.ホモジナイザーを食品検査に利用するメリットと手順

ここでは、ホモジナイザーを食品検査に利用するメリットと手順を紹介します。食品検査を目的にホモジナイザーの導入を検討している方は、参考にしてください。

4-1.ホモジナイザー食品検査に利用するメリット

ホモジナイザーを食品検査するメリットは以下のとおりです。

  • 少量の食物があれば短時間で食品検査が可能
  • 検査場として新たな場所を作らなくて良い

大がかりな検査を行なわなくても、食品にふくまれている微生物や特定の物質を抽出できるので、費用も少額ですむでしょう。さらに、食品の安全性や衛生面を客観的に証明できるので、信用度も高まります。

4-2.ホモジナイザーで食品検査を行なう手順

ホモジナイザーで食品検査を行なう手順は簡単です。

  • ホモジナイザーに規定量の食品を入れる
  • 微生物の抽出が終ったら、微生物を特定する検査を行なう

微生物の特定もふくめても、2時間程度で終るでしょう。

5.ホモジナイザーを利用した食品検査の事例

ホモジナイザーを活用した食品検査の事例は、以下のようなものがあります。

5-1.輸入冷凍食品の残留農薬の調査

輸入冷凍食品は、すでに加工された状態で輸入されます。そのため、どのような原材料が使われているか分かりません。そのため、ホモジナイザーを利用して残留農薬の検査をして、安全を確認しています。

5-2.食中毒が発生した食品の微生物検査

食中毒が発生した場合に原因となった食品をホモジナイザーにかけることで、原因の素早い特定が可能です。また、微生物が繁殖できる環境を調査することで、再発を防ぐ方法も分かります。

6.まとめ

ホモジナイザーは、製品の品質を向上させたり安定させたりするだけでなく、食品検査にも使えます。どのような検査にも対応できるわけではありませんが、特に安全性や衛生性を客観的に証明できるでしょう。ホモジナイザー自体も小型なので、新しく検査のためのスペースも設ける必要はありません。後からの導入も簡単です。