ホモジナイザーのメンテナンス方法とは? 保管時の注意点や定期点検について
ホモジナイザーの不具合やトラブルを未然に防ぐためには、メンテナンスが必要不可欠です。
しかし、ホモジナイザーのメンテナンス方法はどうすればいいのか、専門業者に依頼したほうがいいのかなど、悩んでいる方は多いでしょう。プロによる定期点検は必要ですが、毎日使うホモジナイザーを自分たちで洗浄し清潔に保つことも大切です。
そこで、本記事では、ホモジナイザーのメンテナンス方法について詳しく説明します。
- ホモジナイザーのメンテナンスで必要なこと
- ホモジナイザーの洗浄方法
- ホモジナイザーを保管する際の注意点
- 定期点検の重要性
- ホモジナイザーに関してよくある質問
この記事を読むことで、ホモジナイザーの洗浄方法や定期点検の重要性なども分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.ホモジナイザーのメンテナンスで必要なこと
最初に、ホモジナイザーのメンテナンスで必要なことをチェックしましょう。
1-1.自分でできるお手入れとプロによるメンテナンス
まず、ホモジナイザーのメンテナンスで知っておきたいのが、自分でできるお手入れとプロによるメンテナンスは異なることです。「自分たちでメンテナンスができているから大丈夫」と思われがちですが、やはりプロによるメンテナンスは素人が行うことはできません。ホモジナイザーは精密な機械ですので、定期的にプロのメンテナンスを受ける必要があります。自分たちで洗浄したり、ホコリを取り除いたりと日々のお手入れをしながら、専門業者にメンテナンスを依頼してください。
1-2.不具合が起きていないか
ホモジナイザーのメンテナンスでは、主に不具合が起きていないかをチェックすることになります。普段からホモジナイザーを使っていて、少しでも不具合が起きたり使いづらさを感じたりした際は、早めにメンテナンスを行ったほうがいいでしょう。メンテナンスは、不具合といったトラブルを未然に防ぐことが目的であることを理解する必要があります。また、定期点検やメンテナンスを行うことで、ホモジナイザーを長く使い続けられるでしょう。
1-3.種類によって構造が異なる
ホモジナイザーのメンテナンスを行う際は、種類によって構造が異なることをしっかりと把握しなければなりません。ホモジナイザーの主な種類は、ラボスケールホモジナイザー・アセプティックホモジナイザー・高圧式ホモジナイザー・超音波式ホモジナイザーの4種類があります。それぞれの特徴は下記のとおりです。
- ラボスケールホモジナイザー:研究で用いられることが多い。コンパクトな卓上タイプ
- アセプティックホモジナイザー:無菌状態を作ることができ、油圧制御で動く
- 高圧式ホモジナイザー:高い圧力をかけるため、より精密な粉砕処理が可能
- 超音波式ホモジナイザー:液体中に小音波振動を与え、入荷分散や細胞粉砕を促せる
それぞれ構造や部品が異なるため、専門のプロがメンテナンスを行う必要があります。
2.ホモジナイザーの洗浄方法
ここでは、ホモジナイザーの洗浄方法を解説します。
2-1.ハンドホモジナイザーの場合
ハンドタイプのホモジナイザーは、使用するたびに自分で洗浄できます。具体的な洗浄方法は機種やメーカーによって異なるため、取扱説明書を一読するのがおすすめです。大まかな洗浄方法に関しては、下記の手順を参考にしてください。
- 使用後、水に浸けて回転させる
- キレイに洗浄する
- 洗浄後、下向きに立てて1日ほど乾燥させる
中の軸がブレてしまう恐れがあるため、シャフトを分解するのはNGです。また、横向きで乾燥させると、ベアリング部分が濡(ぬ)れてしまいサビの原因になります。ハンドホモジナイザーを乾燥させるときは、必ず下向きに立ててください。なお、1週間以上使わない場合はシャフトを外し、ベアリング部分に市販のサビ止めスプレーをかけると長く使えるのでおすすめです。
2-2.超音波式ホモジナイザー
超音波式ホモジナイザーは、液体中に振動子を入れて使います。そのため、使用後は振動子をキレイに洗浄する必要があるのです。振動子は金属製でできているケースがほとんどなので、キレイに洗浄した後は水分をしっかりと拭き取ってください。溶液や水分が付着したままだと、ほかの溶液と混ざってしまったり、サビが発生したりする恐れがあるので注意しましょう。
2-3.高圧式ホモジナイザー・ラボスケールホモジナイザー
高圧式ホモジナイザーとラボスケールホモジナイザーも、使用後はキレイに洗浄する必要があります。特に、汚れやホコリは寿命が短くなる原因にもなるため、洗浄だけでなく、ホモジナイザー周辺の清潔を保つことが大切です。ホモジナイザーの投入口から異物が混入すると、故障につながるので注意してください。詳しい洗浄方法については、取扱説明書を確認するか、購入先のメーカーに尋ねましょう。
2-4.接続部のクリーニング方法
アセプティックホモジナイザーなどは、接続部のクリーニングを行う必要があります。接続部のクリーニングに必要なのは、エタノール・エアダスター・ティッシュ・レンチやスパナなどの工具です。工具を使って小さな部品に分解し、エタノールで清潔にしたり、エアダスターでホコリや汚れを取り除いたりします。機器メーカーのホームページでは、クリーニング方法を動画で紹介しているところもあるのでぜひチェックしてください。
3.ホモジナイザーを保管する際の注意点
ここでは、ホモジナイザーを補完する際の注意点について詳しく説明します。
3-1.キレイにしてから保管する
ホモジナイザーは、必ずキレイにしてから保管してください。ホモジナイザーは、いろいろな液体を混ぜ合わせる機械なので使用後は溶液で汚れてしまいます。そのまま保管するとカビやサビが発生し、次回は使えなくなるでしょう。長く使い続けるためにも、必ずキレイにしてから保管することが大切です。
3-2.保管場所も清潔に保つ
ホモジナイザー本体をキレイにするだけでなく、保管場所も清潔に保つ必要があります。たとえ、ホモジナイザーをキレイにしていても、周辺環境が悪いと不具合が起きたり故障の原因になったりするからです。また、ホモジナイザーの保管場所としては土台が安定しており、紫外線があたらない場所に置いてください。特に、水気のある場所に保管するのはNGです。なるべく、湿気がこもらない場所に保管しましょう。
3-3.専用の収納ケースに入れる
ハンドタイプのホモジナイザーは、専用の収納ケースに入れて保管しましょう。購入時に、専用のケースやボックスなども一緒に付いてくることがあります。それらの専用ケース・ボックスに入れて保管すれば、まとめて収納できるでしょう。ハンドタイプのホモジナイザーは失くしやすい傾向があるため、収納ケースに入れて分かりやすい場所に保管するのがおすすめです。
4.定期点検の重要性
ここでは、定期点検の重要性を解説します。
4-1.突然の故障やトラブルを未然に防ぐ
ホモジナイザーの定期点検がなぜ必要かというと、突然の故障やトラブルを未然に防ぐことができるからです。定期的なメンテナンスや点検を行っていないホモジナイザーは、部品が劣化していることにも気づかずに、液体がきちんと混ざらなかったりホモジナイザーとしての役割を発揮できなかったりする恐れがあります。ホモジナイザーは化粧品や食品工場などで使用することが多いため、いきなり壊れてしまうと生産ラインが止まることになるでしょう。そのような最悪な事態を防ぐためにも、定期点検は必ず行ってください。
4-2.ランニングコストが高くなる
定期点検を行うことで、ホモジナイザーのランニングコストが高くなります。特に、工場で使うホモジナイザーは大型タイプが多いので、導入時は数百万~数千万円のコストがかかるでしょう。定期点検をしっかりと行えば、長く使い続けることができるため、ランニングコストの向上につながります。けれども、定期点検を行っていないと故障や不具合が起こりやすくなり、そのたびに修理費用がかかるでしょう。
4-3.定期点検の内容をチェック!
定期点検の重要性だけでなく、具体的な内容も事前に確認すべきポイントです。ホモジナイザーの定期点検は、購入先の専門メーカーへ依頼することになります。メーカーや種類によって点検内容は異なりますが、基本は計測器による点検診断です。潤滑油チェッカーや振動計といった計測器を用いて、運転状況をチェックします。そこで、不具合が見つかった際は対策処置も行うことになるでしょう。不具合の状況によっては、対策処置に時間がかかる場合もあるので注意が必要です。これからホモジナイザーの導入を考えている方は、定期点検やメンテナンスを行っている専門メーカーを選んでください。
4-4.高圧式ホモジナイザーなら三丸機械工業へ
高圧式ホモジナイザーの導入を検討中の方は、ぜひ三丸機械工業へご相談ください。三丸機械工業は、高圧式ホモジナイザーの専門メーカーです。1918年の創業以来、100年にわたる経験と高度な技術を生かし、食品や医薬品・研究開発など幅広い用途のホモジナイザーがそろっています。購入前にお試しでホモジナイザーが利用できるテスト機の貸し出しも可能です。そのほか、技術相談も受け付けていますので、ぜひ一度お問い合わせください。
5.ホモジナイザーに関してよくある質問
ホモジナイザーに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.メンテナンスしやすいホモジナイザーは?
A.省エネ仕様の高圧式ホモジナイザーは、メンテナンスしやすいといわれています。分解洗浄ができ、簡便性やサニタリー性が高いホモジナイザーであればあるほど、メンテナンスが楽になるでしょう。さらに、ランニングコストがいいというメリットもあります。ホモジナイザー専門メーカーの中には、メンテナンスしやすさに重視した機器を用意しているところがあるのでぜひチェックしてください。
Q.導入前に確認すべきことは?
A.何のために使うのか、どこでどのように使うのかを明確にすることです。前述したように、ホモジナイザーはさまざまな種類があり、使用用途を考えて選ぶ必要があります。また、定期的にメンテナンスをしてくれるか、省エネ仕様になっているか、トラブル時にもフォローしてくれるかなどもチェックすべきポイントです。
Q.テスト機を利用するメリットは?
A.実際に、ホモジナイザーの使用感を確かめることができる点です。一定期間、希望するホモジナイザーをメーカーから借りることができるため、お試しで利用できるのは大きなメリットといえるでしょう。特に、工場で使うような大型のホモジナイザーは高額ですので、購入することに不安がある方はテスト機を利用してください。
Q.ホモジナイザーの選び方は?
A.使用用途を明確にしてから選んでください。また、種類ごとの特徴も把握しましょう。専門メーカーと一緒に相談しながら選ぶのも大切なポイントです。専門メーカーの中には、親身になって話を聞き、要望や予算に合わせたホモジナイザーを選んでくれるところがあります。相談しやすさも専門メーカー選びで押さえるべきポイントです。
Q.専門メーカーによる技術サポートとは?
A.ホモジナイザーの使い方で分からないことがあったり、運転操作状況で問題が起きたりした際にサポートしてくれるサービスです。技術的な問題が起きてもスムーズに解決へと導いてくれるため、安心してホモジナイザーを使うことができるでしょう。また、要望に合わせて、ホモジナイザーの改良改善についてのアドバイスも受けることができます。ホモジナイザーを導入する際は、技術サポートが充実している専門メーカーを選んでください。
まとめ
いかがでしたか? ホモジナイザーのメンテナンスは、不具合といったトラブルを未然に防ぐための必要な作業です。日ごろのお手入れは自分でできますが、定期点検やメンテナンスはプロに依頼してください。ホモジナイザーを販売している専門メーカーの中でも、なるべく技術サポートや定期点検などが充実しているところを選ぶのがポイントです。なお、高圧式ホモジナイザーの専門メーカーである三丸機械工業では、無料相談を受け付けています。ホモジナイザーでお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。