ホモジナイザーは料理にも使える! その仕組みと利用するメリットを解説
ホモジナイザーとは、物質に含まれている粒子を均一化するために用いられる機器です。材料を、攪拌したり加圧したりすることで物質の粒子を均一化し、品質を高めるために用いられます。ホモジナイザーは、食品や染料・医薬品と多くの産業で使われており、私たちもその恩恵を受けているのです。
また、ホモジナイザーは料理にも使われており、その技術は家庭用の調理器具にも用いられています。
今回は、ホモジナイザーを料理に使うメリットやホモジナイザーの原理を使った調理器具などを紹介しましょう。
- ホモジナイザーの原理と料理との関係
- ホモジナイザーを活用できる料理は?
- ホモジナイザーを料理に活用するメリット
- 料理とホモジナイザーに関するよくある質問
この記事を読めば、ホモジナイザーが私たちの生活に深く関わっていることが分かります。ホモジナイザーについて興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.ホモジナイザーの原理と料理との関係
ホモジナイザーは、前述したように物質を均一化する機器です。液体でも固体でも複数の物質が混じり合ってできているものは、粒子の大きさにばらつきがあります。そして、粒子の大きさにばらつきがあると、品質が悪くなることもあるのです。
料理ならば、味にムラがあったり舌触りが悪くなったりします。一例をあげると、溶き卵です。白身と黄身をかき混ぜるとところどころ白身だけの部分、黄味だけの部分ができます。このままでも、調理するのに支障はありません。しかし、白色と黄色がまだらになっていると見た目や食感が悪くなります。
そのため、卵液を均一に混ぜるためによく攪拌したり細かい網目のざるでこしたりしますが、この作業もホモジナイザーと同じ「均一化」です。ホモジナイザーを使えば、物質が均一化して見た目や食感がよくなり、より料理が美味しくなります。
2.ホモジナイザーを活用できる料理は?
ここでは、ホモジナイザーの原理を活用できる料理の一例を紹介します。どのような料理があるのでしょうか?
2-1.ドレッシング
ドレッシングは水と油を混ぜる「乳化」の仕組みを利用した調味料です。市販のドレッシングは容器に「よく振ってお使いください」と書いてありますが、これは水と油をよく混ぜることで乳化を促進させるためでもあります。ドレッシングを手作りする際、泡立て器などでよくかき混ぜて作りますが、ホモジナイザーを使うことでより均一に乳化ができ、舌触りや食感がよくなるでしょう。
2-2.マヨネーズ
マヨネーズは、酢と油と卵を混ぜて作った調味料です。ドレッシング同様、全ての食材を均一に乳化させることが美味しいマヨネーズを作るポイントになります。「手作りマヨネーズを作ってみたけれど、市販品より美味しくなかった」という経験がある方もいるでしょう。市販品のマヨネーズはホモジナイザーを使っています。
そのため、舌触りが滑らかで美味しく感じられるのです。マヨネーズを作る際は、電動ミキサーなどを使って攪拌するとホモジナイザーを使ったのと近い効果を得られます。
2-3.アイスクリーム
アイスクリームは、牛乳と砂糖、果物やチョコレートなどをかき混ぜながら凍らせていきます。途中で空気を含ませながら混ぜて凍らせていかないと、舌触りが滑らかになりません。この「かき混ぜる」という作業を工場ではホモジナイザーが行っています。
家庭用のアイスクリームメーカーは材料を攪拌しながら凍らせていく仕組みです。攪拌することにより空気を含ませて粒子を均一化していきます。つまり、ホモジナイザーと同様です。
3.ホモジナイザーを料理に活用するメリット
では、ホモジナイザーを料理に活用するとどのようなメリットがあるでしょうか? ここにその一例を紹介します。
3-1.舌触りがよくなる
ホモジナイザーを使って物質を均一化すると、舌触りが格段によくなります。異なる大きさのものを同時に口に含むと、粒子の大きなものが食感や味を強く感じるものですが、それが味のばらつきを生むのです。粒子を均一化すれば、舌触りも均等になり、味も均等になります。
3-2.味が均一化する
味にばらつきがあると、どうしても「美味しくない」と感じやすくなります。たとえば、一つの料理の中である部分はしょっぱく、あるものは味が薄かったら全体的な評価は「まずい」となるでしょう。味を均一化すれば、総合的な評価も上がります。
3-3.調理が上手にできる
料理の材料としてもよく使われる「牛乳」も市販品のほとんどがホモジナイズされています。牛乳にはタンパク質や脂肪などが含まれていますが、ホモジナイズされていない牛乳は脂肪の粒子が大きいため、料理に使うと脂肪分だけが分離してしまうこともあるでしょう。ホモジナイズすることで、食材としての質も上がります。
4.料理とホモジナイザーに関するよくある質問
ここでは、料理とホモジナイザーに関するよくある質問を紹介します。
Q.ホモジナイザーには家庭用もあるのですか?
A.家庭用のホモジナイザーはありませんが、超音波式のミキサーなどがあります。これは、超音波式のホモジナイザーと原理は一緒です。
Q.ホモジナイザーで、品質は変化しませんか?
A.変質はしませんが、粒子を均一化することで品質を向上させることができます。
Q.手動でホモジナイザーと同じように物質を均一化することは可能ですか?
A.可能ですが、手動ではできる手段が攪拌などの一部に限られます。また、大量の物質を均一化するのは難しいでしょう。1回分のドレッシング作りなどは手動で可能ですが、数回分のマヨネーズを作る場合は電動ミキサーを使うのがおすすめです。
Q.ホモジナイザーは料理のほかにどんなものに使われますか?
A.医薬品や化粧品、顔料などを作る際に使われるのが一般的です。
Q.ブレンダーもホモジナイザーに近いのでしょうか?
A.はい。食材を切って攪拌するという機能はホモジナイザーに近いものです。ただし、ブレンダーは素材をすりつぶしたり切ったりします。ホモジナイザーは物質を切ったりすりつぶしたりはしません。その点が違います。
まとめ
今回は、ホモジナイザーと料理の関係について解説しました。ホモジナイザーの原理は料理にも活用されています。物質の粒子を均一化すると美味しくなるということを覚えておけば、料理をより美味しく作ることができるでしょう。