工場を省エネ化する必要性は? 省エネ診断や方法について徹底解説!


「工場を省エネ化すると、どのようなメリットがあるのか?」「省エネ化する方法が分からない」など、工場の省エネ化で悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。工場を省エネ化することで、大きなコストダウンにつながるというメリットがあります。省エネ化を実現するためには、診断などの作業が必要です。

本記事では、工場の省エネ化について解説します。

  1. 工場を省エネ化する必要性は?
  2. 工場の省エネ診断とは?
  3. 工場を省エネ化する方法
  4. 工場の省エネ化に関してよくある質問

この記事を読むことで、工場の省エネ化を成功させるコツが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.工場を省エネ化する必要性は?

まずは、工場を省エネ化する必要性をチェックしておきましょう。

1-1.限りある資源・エネルギーを節約しながら活用できる

日本にある資源には限りがあるため、どうすればエネルギーを上手に活用できるのかさまざまな取り組みがなされています。工場は製品や商品の製造を行っている場所なので、ある程度のエネルギーを確保しておかなければなりません。しかし、工場の運営に必要なエネルギーは永遠に獲得できるものではないことを常に意識する必要があります。限りある資源・エネルギーを上手に活用するためには、省エネ化が必要だと言われているのです。工場の省エネ化は、限りある資源とエネルギーを節約するために必要なものとなります。

1-2.エネルギーコスト低減による利益増大が期待できる

工場の省エネ化を行うことで、エネルギーコストが低減でき利益増大が期待できると言われています。地球環境保全という非常に大きな意味も持っているのですが、利益の最大化のためには省エネ化が必要不可欠です。必要最低限のコストで工場を運営することは、経営リスクの軽減にもつながります。そのため、最近の企業や工場では省エネ活動を通じた経営改革が推進されているのです。人材育成や組織力の経営改革が進められています。

1-3.製造業の使用電力消費率を下げることができる

資源エネルギー庁の推計によると、製造業の使用電力の消費率は約83%が生産設備となっています。そして、そのほかの一般設備(空調・照明等)が約17%です。大半の消費率が生産設備に使用電力が使われているということは、生産設備の省エネ化を進めることで大幅なコストダウンにつながります。しかし、生産設備の電力削減を実現するためには、設備の買い替えなどコストがかかるのがデメリットです。製品によって電力削減のアプローチ方法が異なるため、使用する電気料金全体を下げることが大きな課題と言えるでしょう。使用電力消費率を下げることができれば、工場の運営もスムーズにいきます。

1-4.設備の寿命を延ばすこともできる

工場の省エネ化は、設備の寿命を延ばすことができるという大きなメリットもあります。設備を新しくすることが省エネ化ではなく、普段から使っていない照明のスイッチをオフにしたり、節水を心がけたりさまざまな取り組みが可能です。設備の定期的なメンテナンスを行うなど基本的な行動が、結果として設備にかかる負担を減らすことができ長寿命化できる=無駄な費用を使わずに済むことにつながります。

2.工場の省エネ診断とは?

それでは、実際にどうすれば工場を省エネ化することができるのか、省エネ化に必要な省エネ診断について解説します。

2-1.知っておきたいPDCAサイクル

省エネ化診断について説明する前に、ぜひ知っておいてほしいのがPDCAサイクルです。PDCAサイクルとは、エネルギー管理の取り組みを継続的にレベルアップできる理想のサイクルと言えます。PDCAサイクルの詳細は以下のとおりです。

  • Plan(計画):管理体制・現状分析・目標と改善案
  • Do(実施):改善案実施・進捗管理
  • Check(検証):効果把握・目標との差異分析
  • Act(見直し):改善案の見直し・管理方法の見直し

上記のように、エネルギーの管理でPDCAサイクルを利用することで継続的なレベルアップが可能です。計画を立ててしっかりと実行し、結果を検証しながらより良いサイクルになるように見直しをくり返します。

2-2.省エネ診断のチェック項目

工場の一般管理事項および設備ごとに省エネ対策のチェック項目があります。大まかに分けると6つの項目に分類されるのです。

一般管理事項

  • 省エネ推進体制
  • 計測・記録・保守
  • エネルギー使用量管理
  • エネルギー原単位の管理

空調・換気・冷凍・冷蔵設備

  • 空調設備の管理
  • 空調の省エネ対策
  • 換気設備の管理
  • 冷蔵・冷凍設備の管理

ポンプ・ファンコンプレッサー

  • ポンプ・ファン
  • コンプレッサーの管理

ボイラー・工場炉などの熱設備

  • 燃焼設備の管理
  • 炉・ダクト・熱設備等の保温と放熱防止
  • 運転・効率管理
  • 蒸気系統の管理・排熱回収
  • 排ガスの熱回収・排水削減
  • 熱交換器の管理

照明・受変電設備・電動機・OA機器

  • 照明の管理
  • 受変電設備の管理
  • 電動機の管理
  • 電気加熱設備の管理
  • OA機器・自販機の管理

生産設備・そのほか

  • 生産設備
  • 給排水・衛生設備
  • 負荷平準化
  • コジェネレーション
  • 新エネルギー

上記からさらに細かく分かれて省エネ診断のチェックが行われます。詳細は工場の省エネルギーガイドブック(2016-2017)をご覧ください。

2-3.省エネ診断を活用することが大事

省エネ診断を実施して、結果をもとにどうすればエネルギーを消費できるのか考え実行することが大切な要素となります。省エネルギーセンターが実施している無料省エネ診断における主な流れは以下のとおりです。

  1. 診断申込書を提出し内容を確認した後、診断実施を決める
  2. 相談して現地診断日程を決め、診断前に省エネルギーセンターがデータを確認する
  3. 専門家が訪問し、午前は面談、午後は現場を見学する
  4. 報告書にまとめられた診断結果を受け取る
  5. 省エネ結果を具体的にチェックし、管理面のアドバイスを受ける

省エネルギーセンターが実施している省エネ診断は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業となります。省エネの専門家が訪問しエネルギー管理の方法から実際の省エネ化の方法まで総合的な診断を行うのです。具体的な省エネ化の提案やアドバイスを受けることができるため、気づきにくい改善点が見つかり、エネルギーコスト改善に大いに役立ちます。

2-4.省エネ・節電ポータルサイトを活用しよう

省エネ診断を利用したい方は、省エネ・節電ポータルサイトから申し込みが可能です。サイトには、省エネ診断の事例や省エネ実行好事例など有益な情報が掲載されているので活用してください。無料の省エネ診断や節電診断など各サービスへの問い合わせだけでなく、中小企業経営強化法における事業分野別指針に沿った分野別の省エネ診断データもチェックできます。

3.工場を省エネ化する方法

実際に、省エネ診断をもとに省エネ化をすることになりますが、主な省エネ化の方法をいくつか紹介します。

3-1.費用対効果など総合的な判断で実施することが大事

まず、工場を省エネ化する上で大切なのは、総合的に判断して省エネ化を実施することです。長期的に見ればコスト削減効果が見込まれるとしても、初期費用が高額になったり工場の作業効率に悪影響を及ぼしたりすることがあります。省エネ化への取り組みが困難な場合は、費用対効果や製品の品質への影響・満足度・従業員への負担など総合的に判断して省エネ化対策を行うことが大切なのです。

3-2.新電力を導入して電気料金全体を下げる

工場における省エネ診断を行うと、エネルギーの約20%を費やしているのは照明のケースがほとんどです。そこで、照明にかかるエネルギーを削減するために注目されているのが新電力となります。新電力を切り替えることで全体の電気料金を下げることができるのはもちろん、導入コストがかからないというメリットもあるのです。新電力とは、電力自由化に伴い新規参入した電力会社のことを指しています。より安い電気料金を提示してくれる電力会社を選んでください。

3-3.省エネ製品を導入する

生産設備に利用されている機器を、省エネ製品(高効率機器)に置き換えることも省エネ化の1つです。省エネ製品には、アモルファス変圧器やトップランナーモーター・永久磁力モーター・HEポンプなどがあります。導入コストがかかる点がデメリットですが、長期的に考えると省エネ製品に置き換えたほうがコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。より良い製品を導入するために、専門メーカーを複数比較してみてください。高圧式ホモジナイザーの専門メーカー「三丸機械工業」では無料相談も受けつけているのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

3-4.コストダウンが期待できる水資源

石油化学・鉄鋼・紙パルプなど、水を多く使用する工場では十分な取水権を取得していますが、水資源は永久的なものではありません。環境負荷の低減・コストダウンという観点から、現在は多くの工場が水資源の再利用や排水設備などへの投資に取り組んでいます。たとえば、自家水道システムなどを導入し地下水や工業用水を有効活用したり、製造用水向けとして新規井戸を設備したりするなどです。井戸水を活用することで水源確保はもちろんのこと、夏期の冷却効率が上がるというメリットがあります。

3-5.そのほかの省エネ化方法

そのほかにもたくさんの省エネ化方法があります。工場の食堂・ラウンジで化石燃料主体設備をオール電化にするなどです。ボイラーを主体とした設備からヒートポンプを主体とした設備へ転換することでエネルギー効率を高めることができます。また、倉庫では自動化や空調・照明の省エネ化が可能です。倉庫の自動化・品質の維持・省エネ機器などシステムで省エネを図ることができます。

4.工場の省エネ化に関してよくある質問

工場の省エネ化に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.省エネ化を実施する前に確認すべきことは?

A.現状の問題点をしっかりと把握することです。エネルギーをどこにどのくらい費やしているのか、現在の工場でどんな問題が起きているのか把握することで、より効率的な省エネ化ができます。問題点をしっかり把握するためには、省エネ診断が必要不可欠です。

Q.エネルギーの内訳は?

A.工場の規模や大小に問わず、エネルギーにかかる費用は企業にとって大きな割合を占めています。たとえば、電力では工場で使用する照明・空調設備・産業機器の動力などです。燃料では産業機器にエネルギーを費やす傾向があります。工場におけるエネルギーの内訳を把握しておけば、効率的な省エネ化ができるでしょう。

Q.空調費用を抑えるポイントは?

A.ビニールカーテンを利用する方法があります。生産設備に次いで空調にかかる電力使用量が多いため、安価で効果的なビニールカーテンを導入しましょう。ビニールカーテンで出入り口を仕切ることで開放を防ぎ、無駄な空調費が削減できます。特に、屋根が高く敷地面積が広い工場では、空調にかかる費用も大きくなるのでビニールカーテンがおすすめです。そのほか、断熱塗装で空調費用を抑える方法もあります。

Q.省エネを実施する主な手順は?

A.主な省エネ実施の手順は以下のとおりです。

  1. 経営層が責任を持って実行体制を確立する
  2. 5Sの責任者と担当者が毎月パトロールする
  3. 現場と問題点の把握・解決法の検討を実施する
  4. 5S手法を従業員全体に教育と実施支援をする
  5. 効果を確認・公表する

Q.工場の省エネ化における注意点は?

A.安全管理・衛生管理にも注目することです。省エネばかりに意識を向けていると、安全管理と衛生管理がどうしても疎(おろそ)かになってしまいます。工場では安全・衛生に関するトラブルがよく起きているため、十分に気をつけながら省エネ対策を行うことが大切です。組織的に安全に働ける取り組みを積極的に行いましょう。

まとめ

工場を省エネ化することで、大幅なコストダウンにつながる可能性があります。コストダウンが成功すれば、より効率的に工場が運営できるでしょう。必要なところだけにお金をかけられ、費用を最小限に抑えることができます。ただし、省エネ化を成功させるためには、現状をしっかりと把握した上で省エネ診断を行うことが大切です。診断結果をもとに省エネ化することで、長期におけるコストダウンが期待できます。


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