機械乳化とはどのようなこと? 乳化機の種類などと共に解説
機械乳化とは、物理的な対流を利用して物質を乳化する方法です。ホモジナイザーに代表される乳化機も、機械乳化を利用して乳化を行っています。私たちが毎日使っている日用品の多くが、物質を乳化することによって作られているのです。
今回は、機械乳化について解説しましょう。
- 機械乳化の基礎知識
- 乳化機の構造や種類について
- 乳化装置の導入にかんするポイント
- 機械乳化に対するよくある質問
この記事を読めば、乳化機の仕組みなどもよくわかります。ホモジナイザーの導入を考えている方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.機械乳化の基礎知識
はじめに、乳化の定義や機械乳化のやり方などを解説します。乳化とはどのような現象なのでしょうか?
1-1.乳化とは何か?
乳化とは、水と油のような、本来は混ざらない物質同士を混じり合わせることです。エマルションと呼ばれることもあります。食品・医薬品・化粧品・工業製品など、乳化が製造工程に必要な製品はたくさんあるのです。私たちも調理や工作の過程で物質をよく混ぜ合わせて乳化を行うことは、珍しくありません。
1-2.機械乳化とは?
前述のとおり、機械乳化とは物理的対流を利用して行う乳化法です。もっとも単純な機械乳化は、水と油が混じった液体を入れた容器を勢いよく振れば、行えます。ドレッシングなどを使う前によく振りますが、これは容器の中に物理的対流を起こすことにより、水と油の粒子を一時的に混ぜ合わせるためです。
なお、機械乳化を行っても時間がたてば水と油は分離してしまいます。しかし、乳化剤を混ぜれば水と油が混ざったまま安定するのです。水(酢)と油ならば分離してしまうものを、卵という乳化剤を加えることにより乳化した状態を安定させたのが、マヨネーズになります。
1-3.機械乳化を行う機器とは?
機械乳化を行う機械としてもっとも有名なのが、ホモジナイザーや撹拌機(かくはんき)です。撹拌機は物質を勢いよく混ぜ合わせることで物理的な対流を起こし、混ぜ合わせます。ホモジナイザーは超音波や高圧を利用して、物理的な対流を起こすことによって物質同士を混ぜ合わせるのです。ちなみに、ホモジナイザーは、物質の粒子を均一化することもできるので分散機とも呼ばれています。
1-4.機械乳化機を必要としている場所
乳化は、食品から工業製品・医薬品・化粧品とさまざまな工場で製品を作る過程で行われます。ですから、工場に乳化機が備え付けられているところは、たくさんあるでしょう。また、大学や研究所などでは実験として乳化を行うこともあります。このような場合は、小型の乳化機が使われることが多いでしょう。
2.乳化機の構造や種類について
この項では、乳化機の構造や種類について解説します。どのような機械があるのでしょうか?
2-1.乳化機の種類
前述のとおり、乳化機の代表的なものにはホモジナイザーと撹拌機(かくはんき)があります。撹拌機のほうが構造は単純で、大きな電動ミキサーと考えればよいでしょう。食品工場などで盛んに利用されているほか、ホモジナイザーに入れる前にまず物質同士をよく混ぜ合わせるために使われることもあります。
2-2.分散とは?
分散とは、物質の粒子を細かく砕いて均一に混ぜ合わせることです。これによって滑らかな舌触りや製品の安定化を図ることができます。ただ攪拌しただけでは物質の粒子は均一化していません。より高性能で安定した製品を作るために、物質をホモジナイザーで分散化することが必要です。
2-3.ホモジナイザーの原理
ホモジナイザーは、超高圧で物質を狭い隙間から押し出したり、超音波で物質を細かく砕いたりすることで、分散化を行います。より多くの物質を一度に均一化するには、超高圧で物質を狭い隙間から押し出す方式のものを使うのが一般的です。一方、ごく少量の物質を分散化するには、超音波を利用したホモジナイザーが使われることもあります。
3.乳化装置の導入にかんするポイント
ホモジナイザーや撹拌機はいろいろなメーカーで製造・販売しています。導入や買い替えを検討している方は、業者のホームページなどを確認し、まずは担当者に製品の特長などを尋ねるとよいでしょう。三丸機械工業も、豊富なラインナップを取りそろえております。
ホモジナイザーの導入の際には、
- 製品が多すぎて、どれを購入していいか迷ってしまう
- 買い替えを検討しているが、同じような性能の製品を導入するか、最新機種を導入した方がいいのか迷っている
- 高価な機器なので、よりアフターフォローが手厚い会社から購入したい
- 製造ラインに組み込みたいので、カスタマイズができるか相談したい
- 新しいホモジナイザーを導入したら、どのくらい省エネになるかを詳しく知りたい
といった悩みを持っている企業様が多いことでしょう。このような場合は、ぜひ、三丸機械工業にご相談ください。メンテナンスや修理の相談もうけたまわっています。
4.機械乳化に対するよくある質問
Q.機械乳化を行った場合、食品の栄養価などに変化はあるのでしょうか?
A.物質の粒子をそろえるだけですので、栄養価が変化することはありません。
Q.機械乳化を利用した食品にはどのようなものがありますか?
A.ドレッシングやマヨネーズのほか、アイスクリームやパスタソースなどが代表的な食品です。
Q.ホモジナイザーはどのくらいの寿命でしょうか?
A.10~20年はありますが、省エネ化を考えると10~15年ごとの買い替えがおすすめです。
Q.機械乳化は、食品のほかにどのような製品に使われますか?
A.化粧品や医薬品、絵の具・写真フィルム・燃料などさまざまな製品に乳化の技術が使われているのです。
Q.ホモジナイザーは新しい方がやはり高性能でしょうか?
A.もちろんです。分散化するまでの時間も短くなり、省エネに役立っています。
おわりに
今回は機械乳化について解説しました。難しそうな名前ですが、私たちが毎日利用する製品の中にも機械乳化の原理を利用して作られたものがたくさんあります。ですから、ホモジナイザーは多くの工場で使われている機械なのです。定期的に新製品も発表され、より省エネで高性能の作品が新たに販売されています。定期的に買い替えをした方が効率もアップしますし、省エネにもなるでしょう。