食品工場の衛生管理の基本を知ろう!衛生教育で注意すべきこと
食品を製造している食品工場は、徹底した衛生管理が大切です。
衛生管理を少しでも怠れば、食中毒事件など大きな事故に発展してしまいます。
お客様に安全・安心の食品を届けるためにも、衛生管理について把握しておきましょう。
これから、食品工場の衛生管理や従業員の衛生教育、食品工場の衛生管理における注意点を一緒にチェックしていきたいと思います。
食品工場で働いている関係者は、ぜひ参考にしてください。
そして、働いている工場の衛生管理を見直しましょう。
- 食品工場の衛生管理について
- 従業員の衛生教育
- 食品工場の衛生管理における注意点
- まとめ
1.食品工場の衛生管理について
スーパーやコンビニで販売している食品は工場で大量生産しています。
大量生産している工場だからこそ、衛生管理を徹底しなければなりません。
1つでも不良品が出てしまえば、大きな損傷になります。
最悪なケース、お客様の命にかかわる恐れもあるでしょう。
安全・安心の食品を提供するためにも衛生管理の基本を把握してください。
1‐1.食品工場における「5S」
最近では、食品に異物混入する事件が多発してきました。
某ファストフード店でも異物混入が相次ぎ、赤字になったと言います。
食品の異物混入は信用を失うことにもなるので注意しなければなりません。
食品工場における衛生管理の基本は「5S」です。
5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の5つになります。
最初、日本では整理・整頓・清掃の「3S」が基本でした。
しかし、食品工場が大規模工場へ移行しつつあるため、清潔と躾(しつけ)も必要になったのです。
5Sは1990年代以降から多くの食品工場へ導入するようになりました。
現在では、ほとんどの食品工場が導入して食品の安全性を守っています。
1‐2.5Sそれぞれの「役割」とは?
食品工場における整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の5Sはそれぞれ役割があります。
当初の3Sにも入っていた「整理」の基本は“使わないもの・要らないものを捨てること”です。
工場内ではたくさんの人が働いているため、管理者・現場従事者・従業員との間で“要らないもの”の基準を統一しておかなければなりません。
捨てるものと捨てないものの線引きが大切になります。
そして、「整頓」では工場で使うものの置き場所や置き方、個数を把握することが基本です。
道具が1つでもなくなっていれば、食品に混入している可能性があります。
誰もが見てすぐにわかるよう、置き方や場所を工夫しなければなりません。
「清掃」と「清潔」では、アレルゲン物質の除去や昆虫の発生防止など工場全体の清潔さになります。
工場だけでなく、工場内で働く人たちも清潔にすることが大切です。
最後の「躾(しつけ)」は、従業員や現場従事者・管理者の教育になります。
教えて確認し合うことが大切なポイントになるでしょう。
1‐3.工場内に入るまでと基本的なユニフォーム
食品工場において、最も気をつけるべき場所はそとからの菌が入る場所です。
たとえば、工場の隙間、従事者についているゴミやホコリ、毛髪が食品に入る恐れがあります。
更衣室から工場内に入るときは入念にチェックしなければなりません。
ほとんどの食品工場では靴を履き替える、粘着ローラーで毛髪やホコリを除去しています。
また、工場内に入る前はユニフォームを着用しなければなりません。
基本的なユニフォームは、額からこめかみまでほとんどの頭をおおいます。
毛髪が出ないように、生え際の部分を圧着しましょう。
そして、つばが食品に入らないよう“マスク”をします。
2.従業員の衛生教育
2‐1.従業員の教育に必要な3項目
食品工場の5Sにもある「躾(しつけ)」はまさしく、従業員の衛生教育です。
食品工場で働くのは人なので、しっかり衛生面に関係する内容を教えることが大切になります。
教えるのは現場従事者や管理者などまとめる人たちです。
もちろん、教える人たちは食品工場の衛生について詳しく把握しておかなければなりません。
いよいよ従業員たちに衛生教育をする際は、「教える」「実施する」「確認する」という3つの項目が必要になります。
衛生について記載している書類を読むだけでは、教育が身につきません。
しっかり食品工場のルールを教えた後は、実施することが大切です。
現場を確認しながら従業員とルールをチェックしていきましょう。
そして、現場の指揮官は従業員の質問に答え、従業員は疑問に思ったことを解決しなければなりません。
2‐2.現場の意見を聞きながら改善する
従業員の衛生教育は進化し続けていかなければなりません。
基本的なルールは滅多に変わりませんが、現場の状態によって順応力も必要になります。
従業員の衛生教育をするがわは、現場で働いている人の意見を取りいれながら改善しなければなりません。
不便に感じていることはないか、仕事がやりやすいかどうか確認が必要です。
もし、問題が見つかった場合はどうすれば解決できるのか話し合ってください。
そして、従業員がわは不便に思っていることを伝えていかなければなりません。
従業員が素直な気持ちになれる環境づくりが必要になるでしょう。
以上のように、従業員の衛生教育は従業員と責任者同士のコミュニケーションが大切です。
3.食品工場の衛生管理における注意点
3‐1.衛生管理の「目的」を明確にする
食品工場の衛生管理は5Sの「目的」を明確にすることが大切です。
何のために5Sを徹底するのか、目的をハッキリしておかなければ従業者全員が意識できません。
衛生管理の意識を高めるには、目的を明確にしてトップである責任者から働きかけることが重要なのです。
トップが動かなければ働く人たちも動きません。
また、「躾(しつけ)」についても考える必要があります。
食品工場には正式な従業員のほかにも日雇いのアルバイトやパートが出入りするでしょう。
正式な従業員でなくとも、出入りする人すべてに教育が必要です。
3‐2.会社に根付く5Sが理想的
衛生管理を徹底するためには会社に根付くよう働きかけることが大切です。
表面的な衛生管理は一向に浸透しません。
どうすれば従業員たちが意識してくれるのか、安全・安心して食品が製造できるのか常に考えていきましょう。
また、経営者や管理者に問題がある場合はしっかり叱ることも大切です。
工場で働く人たちが5Sを実践していてもトップが働いていなければ意味がありません。上位役職者が働いていない場合は、きちんと訴えましょう。
そして、ほかの管理者や現場従事者もきちんと指摘することが大切です。
食品工場の衛生管理は全体が一丸となって取り組まなければすすみません。
4.まとめ
食品工場の衛生管理の基本や従業員の衛生教育、注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
食品工場では毎日消費者に提供する食品をつくっています。
大量生産しているからこそ、衛生面を徹底していかなければなりません。
食品工場の衛生管理の基本は、主に「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の5Sになります。
5Sの中でも特に「躾(しつけ)」が大切なポイントです。
食品工場で働くのは私たち人なので、教育を徹底することで食中毒などの菌を防ぐことができます。
どうやって教育をほどこしていくのかきちんと決めておきましょう。
特に、菌が混入しやすい工場内への入り口は徹底して除菌しなければなりません。