エマルション塗料の特徴や用途は?どんな所に使われているの?

エマルション塗料とは聞きなれない名前ですが、私たちの身の回りの品にたくさん使われています。では、エマルション塗料とはいったいなんでしょうか?

そこで、今回はこの塗料の特徴と用途をご紹介します。エマルション塗料にはいくつかの種類があり、用途によって使い分けることもできるのです。さらに、塗料を選ぶ際の参考になるでしょう。興味があるという方や、近々DIYでペンキを塗りたいという方はぜひこの記事を読んで塗料を選ぶ際の参考にしてください。

  1. エマルションとは?
  2. エマルション塗料とは?
  3. エマルション塗料の種類は?
  4. エマルション塗料が使われている場所は?
  5. エマルション塗料の状態は?

1.エマルションとは?

エマルション塗料についてご説明する前に、まずは「エマルション」についてご紹介します。エマルションとは日本語にすると「乳化」というのです。これは、油性の成分と水性の成分が入り混じった状態のこと。

通常、油性のものと水性のものは混じり合いません。ラーメンのスープを思い浮かべていただければお分かりかと思います。ラーメンのスープは表面に油の球が浮いているでしょう。これは、スープの水分と油分が混じり合わないために起こる現象です。しかし、油と水はよくかき混ぜれば一時的に混じり合います。サラダのドレッシングをよくかき混ぜて使うのはそのためです。

また、油を大目に引いたフライパンに水分を入れてよく振ると濁ります。これは、水と油が混ざり合って乳化したからです。乳化には、油の中に水の球が浮いている状態のもの(O/W型)と、水の中に油の球が浮いている状態のもの(W/O型)があります。

しかし、水と油は放っておけば再び分離してしまうのです。乳化した状態を安定させておくために使われるのが、「界面活性剤」や「乳化剤」になります。

エマルションとは水性物質と油性物質が混じり合った状態なんですね。
はい。日本語に直すと乳化となります。

2.エマルション塗料とは?

エマルション塗料とは、つまり油性のものと水性が混じり合った塗料になります。完全に水性な塗料の代表格といえば、水彩絵の具でしょう。水を混ぜるとよく伸びて、塗装も容易です。しかし、親水性のために水にぬらせば落ちてしまいます。油性の塗料というと、油絵の具が思い浮かぶ方も多いでしょう。こちらは、水には溶けませんが伸ばすのに油性のものを使わなくてはなりません。

油絵のように色を重ねて塗っていくようなものならばよいのですが、面積の広いものを均一に塗るには適していないでしょう。エマルション塗料は、水性の溶液の中に油性の成分が弾状になっているW/O型のものです。これならば、水性塗料のように塗りやすく、油性の塗料のように落ちにくい塗料になります。

ちなみに、エマルション塗料に使われている油性の成分とは、合成樹脂などたくさんの種類があるのです。

エマルション塗料とは水性と油性、両方の性質を持った塗料のことなんですね。
はい。使いやすく塗れる場所も多いので、現在は多くのエマルション塗料が販売されています。

3.エマルション塗料の種類は?

では、エマルション塗料にはどのような種類と特徴があるのでしょうか? この項で詳しくご紹介します。

3-1.エマルション塗料の種類は?

エマルション塗料は水に油性の物質(合成樹脂など)を溶かした水性塗料と、溶剤(シンナーなど)に油性の物質を合わせた溶剤系塗料があります。日本では、長らく長期間色落ちしにくい塗料として、溶剤系塗料が使われてきました。独特の匂いがついたペンキを使ったことがある、という方は多いでしょう。合成樹脂をはじめとする塗料に使う油性の成分は非常に水に溶けにくく、溶けたとしても安定しにくいという特徴がありました。ですから、溶剤系塗料の方が製造しやすく使い勝手もよかったのです。

しかし、有機溶剤は人体に有害。特に、密閉した空間で溶剤系塗料を使うと、体調を崩す人も多かったのです。そのため、メーカーも乳化した状態で安定させる物質である界面活性剤の開発などに力を入れ、水性塗料の改良をしてきました。ですから、現在は水性塗料の方が主流になってきています。水性塗料は環境や人体にも優しいですし、シックハウス症候群の危険もありません。

3-2.エマルション塗料の特徴は?

エマルション塗料の最も大きな特徴は「硬化」です。これは、塗料を物体にペイントすると、時間がたつにつれて水分だけが蒸発して合成樹脂などの油性のものだけが残ります。ですから、風雨にさらされても落ちません。

また、合成樹脂やセラミック成分などは不燃ですから、外壁に使えば火災防止もなるでしょう。さらに、水で薄めることができてローラーやはけで簡単に広い面積を均一塗れます。溶剤系塗料は水性塗料より耐水性や接着性が高いので、水辺で使うものなどに塗られることもあるでしょう。

エマルション塗料には溶剤系塗料と水性塗料があるんですね。
はい。現在は水性塗料が主流になりつつあります。

4.エマルション塗料が使われている場所は?

エマルション塗料が使われている最も代表的なところは外壁です。外壁に塗られる塗料は、ただ単に家の見栄えをよくするためだけのものではありません。防水機能や防火機能、さらに、汚れを防いだり外壁を傷つけにくくしたりする効果があるのです。ですから、外壁塗料は、いろいろな物質が混ぜられた塗料を使うでしょう。

合成樹脂塗料やフッ素塗料、アクリル製塗料などがありますが、すべてエマルション塗料になります。このほかにも、屋外のものに塗るペンキなどは、だいたいエマルション塗料です。

エマルション塗料は外壁を塗る塗料としてよく使われているんですね。
はい。屋根用塗料としても多く使われています。

5.エマルション塗料の状態は?

塗料というと液体状のものを想像されると思います。このように液体状になった塗料のことを溶液形というのです。しかし、溶液形の塗料はエマルション塗料だけではありません。水性塗料なども溶液形塗料の中に含まれます。

では、溶液形の中で確実にエマルション塗料と分かるものは何かというと「分散系」といわれるものです。水溶性塗料の多くは水で希釈できますが、分散系塗料の場合は水で希釈できないものもあります。ですから、塗料の取り扱い説明書をよく読んで、使ってください。

もうひとつの塗料の状態は粉体です。水分を混ぜずにさらさらとした粉末状の塗料になります。これは、ホームセンターなどにはほとんど出回っていません。物体を熱しておいて塗料を吹きつけ、熱や静電気溶着させたりします。しかし、物体を塗装する工場などでは広く使われているのです。

特に、自動車製造工場では、車体をペイントするのに粉体の塗料を吹きつけて静電気などで溶着させています。金属に塗るものですから、液体状のものだとさびてしまう可能性があるのです。ですから、水や有機溶剤を使わない方法が取られています。

エマルション塗料は粉状のものもあるんですね。
はい。工場などでよく使われています。

おわりに

今回は、エマルション塗料の特徴や用途についてご紹介しました。今は、ほとんどのペンキがエマルション塗料になっているでしょう。なお、溶剤系塗料を使う場合は、必ず換気をして使いましょう。有機溶剤は一度にたくさん吸い込むと、意識を失ってしまうものもあります。さらに、塗り終わった後も、1日くらいは戸を明け放しておき、有機溶剤が蒸発するまで待ちましょう。少しでも匂いが残っているうちは、密閉するのは危険です。

また、口に含むものには塗らない方がよいものもあるでしょう。外壁などが一部はがれた場合は、安い塗料で補修をするとすぐにはがれたりその部分からカビが発生したりすることもあります。外壁塗料は、防水性や防火性を備えた特殊なものです。ですから、必ず外壁用の塗料を使ってください。通常の塗料の数倍はしますが、それだけの理由があるのです。ペンキを塗る場合は用途をよく考えて選んでください。

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