クレンジングオイルを上手に使うカギは乳化にあった? その方法は?

化粧品の種類に「ウォータープルーフ」というものがあります。元の意味は「防水加工」なのですが、それが転じて「汗や涙で落ちにくい化粧品」を指す言葉になりました。しかし、このような化粧品は通常の洗顔では落ちにくいのです。そんなときに活躍するのがクレンジングオイル。でも、使い方を間違えれば化粧品は落とせません。大切なのは、クレンジングオイルを乳化させること。

そこで今回は、クレンジングオイルの正しく使う方法についてご説明します。いったいどこで乳化させれば、メイクがよく落ちるのでしょうか? 答えは、この記事を読めば分かりますよ。

  1. なぜ、クレンジングオイルでメイクが落ちるの?
  2. クレンジングオイルは肌に悪いって本当?
  3. クレンジングオイルを上手に乳化させる方法は?

1.なぜ、クレンジングオイルでメイクが落ちるの?

クレンジングオイルというのは、その名の通り油が主成分となったメイク落としです。どんなメイク落としにも油脂は入っていますが、クレンジングオイルは油が全体の70%〜80%をしめています。ですから、ぬるぬるしているのですね。
なぜ、油が主成分なのかというと、化粧品もまた油が含まれているため。口紅やファンデーションなどがしっとりとしているのは、油のせいです。化粧品にオイルが入っていなければ、汗や皮脂、さらに涙などで化粧がすぐに落ちてしまうでしょう。オイルは水では落ちません。食器洗いをしていれば分かりますね。

油を落とすのは油。ということで、クレンジングオイルやメイク落としは油が含まれているのです。ウォータープルーフの化粧品は通常の化粧品よりも、オイル成分が多く含まれています。ですから、クレンジングオイルのように油をより多く含んだもので洗顔しないと、落としにくいのです。

2.クレンジングオイルは肌に悪いって本当?

「クレンジングオイルが肌に悪い」という意見があります。化粧品の口コミサイトなどにも記載されていることが多いため、信じている方も多いでしょう。しかし、本当に肌に悪いのならば、化粧品メーカーも対策をしているはずです。クレンジングオイルが肌に悪い理由とされているのが、「界面活性剤が入っているから」というもの。界面活性剤は、せっけんや洗剤に入っている、親水性と親油性の性質をあわせもっている物質です。界面活性剤を入れると、水と油が混じり合います。洗剤が汚れを落とす仕組みは、界面活性剤が皮脂汚れを包みこんで、水と混じり合うためです。

クレンジングオイルも原理は同じ。皮脂や化粧品を界面活性剤が包みこんで水と混じり合うために、メイクや皮脂汚れが落ちるのです。しかし、食器洗い用の洗剤を使っていて手が荒れた、という方は少なくありません。ですから、クレンジングオイルも使っているうちに肌が荒れるかもしれない、と思われているのですね。

界面活性剤にも種類があります。洗剤に使われる界面活性剤は、洗浄力や発泡力を第一に考えた「陰イオン界面活性剤」というもの。これは、非常に強い脱脂性があるため、使い続けると皮膚に必要な皮脂が失われて手が荒れてしまうのです。

クレンジングオイルやメイク落としに使われている界面活性剤は乳化作用の強い「非イオン界面活性剤」になります。これは、一部の食品にも使われているほど、安全性の高いものです。ですから、界面活性剤が入っているからといって即、肌に悪いということはありません。むしろ、メイクがずっと肌に残り続けている方が悪影響は出るでしょう。

3.クレンジングオイルを上手に乳化させる方法は?

クレンジングオイルでメイクを確実に落とすには、乳化のさせ方がカギです。乳化とは、水と油が混じり合って安定する状態のこと。この項では、その一例をご説明しましょう。

3-1.クレンジングオイルは乾いた手で使おう

クレンジングオイルは、基本的に乾いた手で使います。せっけんなどは手のひらでよく泡立てて使いますが、クレンジングオイルにその必要はありません。逆に、ぬれた手でクレンジングオイルをとると手のひらで乳化してしまうため、肝心のメイクが落とせなくなるのです。クレンジングオイルをボトルからプッシュしたら、そのまま顔の上につけます。そのまま肌の上に伸ばしましょう。

3-2.水をつけた手のひらでクレンジングオイルを肌になじませる

次に、手のひらを水にくぐらせます。クレンジングオイルをぬった顔に直接水をかけてしまうと、そのまま洗い流されてしまうので注意してください。そして、水をつけた手のひらでクレンジングオイルを肌になじませていきましょう。このときに、手のひらにつけた水とオイルが乳化してメイクや皮脂汚れを肌から引き離すのです。これを、何度かくり返せば、クレンジングオイルは肌の上ですべて乳化してくれるでしょう。

3-3.よく洗い流す

最後に、ぬるま湯でクレンジングオイルを完全に肌から洗い落とします。乳化したオイルは親水性も高いですから、ゴシゴシこすらなくても落ちてくれるでしょう。「界面活性剤が肌に悪い」と思っている人の中には、オリーブオイルなどを直接肌につけて化粧落としをする方もいます。しかし、普通の油は水をはじくのです。ですから、界面活性剤の入っていないオイルを直接肌に塗ってしまえば、せっけんを使わない限り完璧に落とせません。肌にいつまでもオイルが残っていると、毛穴がつまってニキビなどの肌トラブルになるでしょう。

3-4.ダブル洗顔が必要のないものを選ぼう

界面活性剤には脱脂効果もあります。前述したように非イオン界面活性剤は、脱脂性は高くありません。しかし、クレンジングオイルで洗った後に洗顔料で改めて洗顔すれば、皮膚の皮脂は洗い流されてしまうでしょう。ですから、ダブル洗顔をしない方が皮膚にとってはよいのです。しかし、クレンジングオイルの中には「使い終わった後、洗顔料で洗ってください」という製品もあります。

これは、安価なオイルを使っているので皮膚吸着力が高いのです。そのため、水だけでは完全にオイルが落ちません。
陰イオン界面活性剤の力が必要になるのです。しかし、そうなると脱脂力が強すぎて乾燥による肌荒れが起きた少なります。そのため、多少値段が高くても毎日しっかりとしたお化粧をする人は、よいオイルを使ったクレンジングオイルを使いましょう。メイクもよく落ちますし、肌もいためません。

おわりに

今回は、クレンジングオイルを上手に乳化させる方法をご説明しました。

まとめると

  • クレンジングオイルは油と界面活性剤でメイクを落とす。
  • 肌の上で上手に乳化させることが、メイクを完璧に落とすカギ。
  • ダブル洗顔が必要のないクレンジングオイルを選ぼう。

ということです。

クレンジングオイルは、いろいろな種類が出ています。高いものが必ずしもよいものというわけではありませんが、少なくともダブル洗顔がいらないものを選びましょう。また、クレンジングオイルには必ず使い方が書かれています。その方法を守って洗顔してください。

洗顔後に肌のツッパリが気になるという人は、保湿成分の高い化粧水や乳液を使いましょう。逆に、肌がべたべたする場合はオイルを落としきれていないのです。優しく水を何度もかけて洗い流しましょう。さらに、化粧をしっかりした場合はマスカラ、口紅、ファンデーション、と順番に落としていってください。一回ですべてを落とそうと顔をこすると、落ちた化粧品をもう一度顔に塗っていることと同じです。