化粧品の作り方は? 基本のクリームは材料を乳化させるだけ!
女性にとって化粧は身だしなみと同じものです。「化粧をしないで外になど出られない」と思っている方も多いでしょう。しかし、その反面肌質が弱くて市販の化粧品をつけられないという方も少なくないのです。そんな方に人気なのが手作りの化粧品。ファンデーションや口紅は素人が手作りするのは難しいですが、基本のクリームなら乳化の仕組みを知っていれば作れます。
そこで今回は、顔につけるフェイスクリームの作り方をご紹介しましょう。顔だけでなく、手やボディーの保湿にも使えますよ。
- 基礎化粧品であるクリームの役割は?
- 手作り化粧品のメリットは?
- 基本のフェイスクリームを作ってみよう
- フェイスクリームは冷蔵庫で保管しよう
1.基礎化粧品であるクリームの役割は?
今回、作り方をご紹介するクリームは「フェイスクリーム」ですが、顔以外にもボディーや手の保湿や美容にも効果的です。市販の化粧品は「フェイスクリーム」「ボディークリーム」「ハンドクリーム」と商品が別れていますが、基本的な効果は同じ。肌の乾燥を防ぎ美容や保湿効果を高めます。ファンデーションや口紅は、もとの肌をより美しく見せるものです。
ですから、肝心の肌が乾燥していたりいたんでいたりすれば、いくら性能のよいファンデーションを使っても美しく見えません。乳液や化粧水、クリームなどいわゆる「基礎化粧品」で肌を美しく整えることにより、初めてファンデーションや口紅などが効果を発揮するのです。
2.手作り化粧品のメリットは?
では、手作り化粧品は市販の化粧品と比べるとどのようなメリットがあるのでしょうか? この項では、その一例をご紹介します。
2-1.自分に合った配分で作れる
肌の状態はひとりひとり異なります。また、季節によって肌の状態が変わる人も少なくないでしょう。市販のクリーム類も種類が豊富になってきましたが、それでもひとりひとりの肌質に完璧には合わせられません。手作りのクリームならば、肌の状態に合わせて材料の配分を変えられます。自分の肌質に合ったクリームを使えば、より効果が実感できるでしょう。
2-2.原材料が分かっているので安心できる
化粧品の中には「何の材料を使っているか分からない」というものもあります。つい最近も、一流の化粧品メーカーの基礎化粧品を使った結果、肌にひどいダメージを受ける人が続出したという事件もありました。
また、アレルギーを起こす可能性がある物質が化粧品に混入しており、多くの人がアレルギーを発症した例もあるのです。化粧品には安全基準が設けられていてそれも守っていれば健康被害が出ることはない、ということにはなっています。しかし、今まで「安全」と思われていた物質が健康に悪影響を与えることもあるのです。
手作り化粧品は、材料も自分でそろえられます。ですから、市販の化粧品に比べてより安全でしょう。
2-3.新鮮なものを使える
化粧品にも使用期限があります。市販の化粧品は長持ちするように作られていますが、それでも古くなれば成分が劣化することもあるでしょう。「少しずつ買えばよいのでは?」という意見もあると思いますが、化粧品によっては少量パックが売られていない製品もあります。手作り化粧品ならば、短期間で使いきれる量だけ作れますから最後まで新鮮なものが使えるでしょう。
3.基本のフェイスクリームを作ってみよう
では、手作り化粧品はどうやって作るのでしょうか? この項では基本のフェイスクリームの材料や作り方をご説明します。
3-1.フェイスクリームの材料は?
フェイスクリームの材料は、
- シアバター
- 好みのオイル(ホホバオイルなどが一般的)
- パーム乳化ワックス
- フローラルウォーター(弱酸性で、花の匂いがついた精製水)
- ビーズワックス(みつろう)
- 好みの精油
これだけです。これらの材料はインターネット通販でそろえられますし、ボディケア用品のお店でも売っています。分量についてはいろいろなレシピがありますが、それぞれを小さじ1~10グラム程度使えば、1週間分くらいのクリームが作れるでしょう。手作り化粧品の作り方の書いた本やサイトなどにも詳しいレシピが載っていますので、何種類か作ってみて肌に合うものを探してみてください。
3-2.フェイスクリームの作り方
- 化学実験に使うビーカー、もしくは広口のビンをふたつ用意する。
- 片方のビンにはフローラルウォーターを入れ、もうひとつのビンにはそれ以外の材料をすべて入れる。
- ふたつのビンを湯煎(ゆせん)にかけてそれぞれ80度くらいになるまで温める。
- ふっとうさせないように注意して温めたら、フローラルウォーターをもうひとつのビンの中に少しずつ入れる。
- そのまま15分以上しっかりとかきまわしてクリーム状になるまで混ぜ合わせる。
- しっかりと混ぜ合わせたら、香りづけに精油を落としてさらに混ぜれば完成
3-3.フェイスクリームを作る際の注意点
フェイスクリームの作り方は、とても簡単です。材料を湯煎(ゆせん)にかけて混ぜるだけ。しかし、フローラルウォーターは水性、そのほかの材料は油性です。通常は、水と油をいくら混ぜても分離してしまいます。この水と油を混ぜ合わせてくれるのが、パーム乳化ワックスです。湯煎(ゆせん)をしたクリームの材料は、両方とも液状になっています。それをよく混ぜ合わせるとパーム乳化ワックスが水性と油性の材料をつなぎ合わせてくれるのです。
これを、「乳化」といいます。この際、混ぜ方が足りないと水と油が再び分離してしまうのです。ですから、丁寧にしっかりと混ぜることがフェイスクリームをじょうずに作るコツ。ケーキにのっているホイップクリームくらいになったら成功です。混ぜるのをやめてしばらくしたら油の球が表面に浮いてくるようでは、まだ混ぜ方が足りません。
また、材料をふっとうさせてしまうとうまく乳化できなくなります。少しめんどうですが、かならず湯煎(ゆせん)して温めてください。
4.フェイスクリームは冷蔵庫で保管しよう
手作りのフェイスクリームは保存料や安定剤が入っていません。ですから、古くなると脂が酸化して品質が劣化していきます。フェイスクリームの保存は冷蔵庫で行い、遅くとも1か月以内に使いきりましょう。
フェイスクリームは少量ずつ作った方がうまくできます。「めんどうだから」と大量に作ろうとすると、混ぜるのも大変になるでしょう。手作り化粧品を使って皮膚がかゆくなったり赤くなったりした場合は、すぐに使用を中止してください。
おわりに
今回は、手作りのクリームのメリットや作り方をご紹介しました。
まとめると
- 基礎化粧品を手作りすれば、自分の肌質にぴったりあったものを作れる。
- 手作りのクリームは材料を混ぜ合わせて乳化させるだけ。
- 丁寧に混ぜ合わせるのが成功のコツ。
- 作ったクリームはできるだけ早く使いきろう。
ということです。
フローラルウォーターや精油を好みの匂いのものにすると、使うたびにリラックスできるでしょう。また、今流行(りゅうこう)のココナッツオイルを使っても甘い香りがするクリームができます。今回は、配分を詳しくご紹介しませんでしたが、自分好みの配分にすれば肌質に合ったものができるでしょう。
なお、肌が弱い方は顔につける前に手の甲などに少量つけて、かぶれや赤みが発生しないか確認してください。混ぜ方が足りなくても肌にダメージが出る場合がありますので、注意しましょう。