ラボ用ホモジナイザーとは?必要性や目的・選択基準等を解説

ホモジナイザーには食品や化粧品などを製造する目的で使用されるものほか、実験に必要な乳化・分散、細胞破砕を行なうラボ用ホモジナイザーがあります。実験に使うサンプルはそのままでは使用できないものが大半であり、乳化や分散などの事前処理が必要です。

ラボ用ホモジナイザーは、製品製造に用いられるホモジナイザー同様、いろいろなところに需要があります。その一方で「ラボにホモジナイザーを導入したいが、選定基準がわからない」などの悩みを抱えている方も多いでしょう。

今回は、ラボ用ホモジナザーの種類や機能、選び方のポイントなどを紹介します。

1.ラボ用ホモジナイザーの種類と主な機能

はじめに、ラボ用ホモジナイザーの種類と主な機能について解説します。ラボ用ホモジナイザーの種類は「高圧式」「超音波式」「撹拌式」の3種類です。それぞれの特徴や機能を知れば、選択の参考になります。

1-1.高圧式ホモジナイザー

高圧式ホモジナイザーとは、圧力をかけて乳化・分散、細胞破砕などを行なうホモジナイザーです。高粘度の物質の分散化や大量生産に対応できるため、製造ラインにも組み込まれることが多いでしょう。ノズルを通過させるノズル式、ホモバルブを通過させるホモバルブ式があります。粘度の高い製品を使う場合は、ホモバルブ式が適しているので使用するサンプルの種類で使い分けましょう。

1-2.超音波式ホモジナイザー

超音波式ホモジナイザーとは、中に入れた物体に超音波振動を与えて気泡を発生させ、その気泡を破裂させる衝撃で乳化や分散化を行なう方式です。小型の製品が主流のため、ラボ用ホモジナイザーは超音波式が主流となっています。長時間運転に耐えられる製品もあり、長時間の実験も可能です。

1-3.撹拌式ホモジナイザー

撹拌式ホモジナイザーとは、高速で回転する刃がついているタイプのホモジナイザーです。高機能なフードプロセッサーといえばイメージしやすいでしょう。高速回転から生じる遠心力で乳化や分散を行ないます。シンプルな造りなので価格がお手頃です。その一方で刃が届く部分が限られているので、サンプルの量によってはムラが生じる場合もあるでしょう。

2.ラボ用ホモジナイザーの選択基準を解説

次に、ラボ用ホモジナイザーの選択基準を解説します。ラボ用ホモジナイザーは種類が豊富なため迷いがちですが、選択基準がしっかりしていれば、迷うことはありません。

2-1.ラボ用ホモジナイザーの使用目的で選ぶ

ラボ用ホモジナイザーを選ぶ際は、まず使用目的を明確にしましょう。サンプルを乳化したり分散したりする精度・頻度も重要です。細胞壁などが壊れさえすればいいのか、特定の物質を取り出したいので高精度の分散が必要なのかなど、実験によって必要な状態が異なります。たとえば、A・B2つの物質を高精度に撹拌して分散したうえで実験したいのに、撹拌式のホモジナイザーでは不十分です。どのくらいに精度で乳化や分散ができるかは、メーカーに尋ねてみましょう。

2-2.予算に応じて選ぶ

高性能のホモジナイザーほど高価です。しかし、分割支払いなども可能なので必要ならば高性能なホモジナイザーを選択してください。精度がそれほど必要ない場合は、予算に合わせて選びましょう。「このくらいの金額で」と予算額を指定して業者に相談してみるのがおすすめです。

2-3.メンテナンスの頻度ややりやすさによって選ぶ

ホモジナイザーは定期的なメンテナンスが必要です。自分たちでできるものもありますが、業者による高度なメンテナンスが必要な場合もあります。使う度にメンテナンスが必要で業者によるメンテナンスも高価なホモジナイザーは、使い勝手が悪いと思うでしょう。頻繁に使うものほど、日々のメンテナンスが簡単にでき、高度なメンテナンスの頻度が少ないものがおすすめです。

2-4.メーカーで選ぶ

ホモジナイザーを製造・販売している会社はいくつもありますが、いざというときにすぐメンテナンスに駆けつけてくれるメーカーの製品がおすすめです。ホモジナイザーが急に調子が悪くなるケースも珍しくありません。すぐに連絡が取れて修理に来たり代替え機を用意してくれたりするメーカーの製品を選びましょう。

2-5.ホモジナイザーの置く場所で考える

ラボ用ホモジナイザーは総じてコンパクトです。しかし、ホモジナイザーの種類や製品によって大きさは若干異なります。いろいろな場所で使いたいなら、持ち運びができる製品を選びましょう。一方、一か所でしか使わず大量のサンプルをホモジナイズしたい場合は、一定の大きさの製品が必要です。持ち運びが必要かどうかも考えて製品を選びましょう。

3.ホモジナイザーは撹拌機で代用が可能か?

ホモジナイザーをよく似た機器に撹拌機があります。撹拌型ホモジナイザーは、撹拌機とほとんど性能が一緒の製品もあるでしょう。撹拌機はサンプルの切断も可能です。しかし、サンプルが少なすぎたり小さすぎたりすると、撹拌がうまくいきません。ホモジナイザーはサンプリングが少量でも乳化・分散が可能です。また、サンプリングの種類によっては撹拌が難しい場合もあるでしょう。撹拌機で代用ができるかどうかは実験の内容にもよりますが、可能な限りホモジナイザーは専用の物を用意しましょう。予算の都合がつかず撹拌機で代用しようとすると、実験がうまくいかない場合もあります。

4.ホモジナイザーのメンテナンスやトラブルシューティングの方法

最後に、ホモジナイザーのメンテナンスやトラブルシューティングの方法を紹介します。選択の参考にしてください。

4-1.日々のメンテナンス方法

ラボ用ホモジナイザーは小型なものが多いので、使用した後は流水で丸洗いします。次に使うまでしっかりと乾燥させておきましょう。なお、購入した際は水洗いできる部品、できない部品を確かめておいてください。

4-2.メーカーにメンテナンスを依頼する場合

ラボ用ホモジナイザーは、定期的にメンテナンスをしてくれる製品と修理のみ受け付ける製品があります。購入した製品がどちらに該当するか確かめておきましょう。定期的にメンテナンスをしてくれる製品はどのくらいの頻度でメンテナンスが必要なのか、販売前に確認してください。

4-3.ホモジナイザーが不調になったら?

ホモジナイザーが不調になった場合は、使い方が悪かった場合と修理が必要な場合があります。不調になったら、まずは購入したメーカーのホームページにあるトラブルシューティングを確認して実行しましょう。それでも解決しない場合は、一度メーカーにメンテナンスを依頼してください。購入してから一定期間は保障期間なので無料、もしくは格安で修理を依頼できます。

まとめ

ラボ用ホモジナイザーは、使用する用途や使いやすさ、メンテナンスのしやすさ、費用で選びましょう。当社は、ラボ用ホモジナイザーも複数取り扱っています。お客様のご希望や予算をお聞きして最適なご提案をさせていただくので、まずはお気軽にご相談やお見積もりをご依頼ください。ご相談だけでも問題ありません。また、当社のホームページはトラブルシューティングの方法などもわかりやすく動画で解説しています。