食品工場の改善活動とは? 抱えている問題点や改善事例をピックアップ

食品工場の改善活動とは一体どのようなことをするのか、よく分からずに悩んでいる方は多いでしょう。食品工場にはたくさんの問題が起こり得る場所だからこそ、問題が発生する前にしっかりと対策を立てておかなければなりません。

そこで、役に立つのが、食品工場の改善活動となります。本記事では、活動事例をいくつか紹介しながら、食品工場が抱えている問題点にも注目していきましょう。

  1. 食品工場が抱えている問題点
  2. 食品工場の改善活動とは?
  3. 食品工場の改善事例を紹介
  4. 食品工場の改善活動に関してよくある質問

この記事を読むことで、食品工場の改善活動がどのような活動なのかが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.食品工場が抱えている問題点

まずは、食品工場が抱えている問題点をいくつかチェックしておきましょう。

1-1.既存工場や生産設備の老朽化

食品工場が抱えている問題点としては、既存工場や生産設備の老朽化があります。工場が稼働したばかりのころは何もかもが新しく、設備も最新式のものがそろっていたことでしょう。けれども、設備や機器は年数が経(た)つほどに劣化し、老朽化がすすんでしまうものです。工場の設備や生産設備が老朽化していると、製造ラインにも悪影響を及ぼすことになります。急な故障によって製造ラインが大幅に遅れたり、機器から異物が混入したり、従業員の命を脅かしたりするなど、大きな事故にもつながりやすくなるので注意が必要です。

1-2.動線が複雑で生産性が向上しない

工場の規模が大きくなればなるほど、1つ1つの動線が複雑になってしまい、生産性が一向に向上しない問題が発生します。特に、食品工場でたくさんの種類を少量ずつ生産していると、個々の生産量が少ないので改善効果も大きく出ません。製品ライフサイクルが短くなると、どうしても成果が続きにくいですし、個々の製品を対象にした改善には限界があります。また、従業員1人1人が自分のすべき作業を把握できなかったり、生産変動によって作業に繁閑の差が大きく出たりすることもあるでしょう。

1-3.衛生レベルを確保できない・維持できない

食品工場において、衛生管理を徹底させることはとても大切なことです。しかし、衛生レベルを確保できない・維持できないという問題点も抱えやすい傾向があります。衛生レベルを確保できない原因はさまざまですが、従業員同士で共有し合うことができていないのが大きな原因といえるでしょう。なぜ衛生管理が必要なのか・どこでどのようなことに気をつければいいのか理解できていないせいで、衛生レベルが崩れてしまっています。衛生レベルが確保できないときは、なぜそのようになっているのか原因を明確にすることが大切です。

1-4.生産量の増加や新製品に対応できない

生産量を増加したり、新製品の生産に対応できなかったりするのも、食品工場が抱えやすい問題といえるでしょう。会社の急激な成長や生産の拡大によって、現場が対応できていない状況が考えられます。会社の急成長はとてもうれしいことではありますが、事業環境の変化に現場がついてこられていない状況になるのはNGです。それでは、生産料の増加や新製品にも対応できません。まず、責任者は現場の状況を把握し、従業員たちの声に耳を傾けようとする姿勢を見せることが大切です。現場が混乱してしまえば、生産する食品の質も下がってしまうでしょう。

1-5.品質維持と安全面

品質維持と安全面における問題点も、食品工場が抱えやすい問題点といえるでしょう。製品の品質が落ちてしまい評判が下がってしまうと、会社の運命にも大きな打撃を与えることになります。異物が混入したり、食中毒になったりすると会社の信用を大きく失うことにもなるでしょう。消費者からクレームが入るたびに工場の品質管理を見直し、改善すべきところは早急に対処していかなければなりません。また、その場で働く従業員たちの安全面にも考慮しておかなければ、事故につながる恐れがあります。

2.食品工場の改善活動とは?

それでは、食品工場の改善活動がどのような活動なのか、詳しく説明します。

2-1.衛生的で働きやすい職場づくり

食品工場の改善活動は、今抱えてる問題点を解決するための活動です。そこで、大きなポイントになるのが、衛生的で働きやすい職場づくりでしょう。安心・安全は整った職場環境から生まれるものなので、従業員が安心して働きやすい職場環境を整えていかなければなりません。責任者が現場の状況を把握し、従業員の声に耳を傾けては理想と現実のギャップを確認することが大切です。そして、そのギャップを埋めていく取り組みが、改善活動につながります。まずは、現在、どのような問題点を抱えているのか、把握するところから始めてください。

2-2.食品工場の5Sを徹底させる

食品工場の改善活動として、5Sを改めて見直し徹底することが挙げられます。生産活動は5Sの行き届いた工場でなかれば円滑に行うことができません。5Sを徹底させることができれば、無駄が表面化してコスト削減につながりますし、作業環境が整備され不良品が減り品質向上にもつながるでしょう。なお、食品工場の5Sは以下のとおりです。

  • 整理:不要なものを明確にし、それを処分すること
  • 整頓:必要なものが必要なときにすぐ使用できるような状態にすること
  • 清潔:常に清潔な状態を維持し続けること
  • 清掃:洗浄・殺菌を行うこと
  • しつけ:上記の4点を習慣づけること

特に、食品工場は人が口にいれるものを扱っている場所なので、従業員は常に清潔な状態にしておかなければなりません。作業服は毎日選択する・工場内では靴を履き替える・帽子からは毛髪をはみ出さないなどの取り組みが必要です。

2-3.問題解決のための工場再構築

食品工場の改善活動として、問題解決のための工場再構築があります。工場再構築には主に、システム再構築・敷地内再構築・拠点再編の3つのパターがあり、それぞれものをいかに無駄なく流通させるかが大きなポイントです。それぞれの内容は以下を参考にしてください。

  • システム再構築:工場内における再構築。業務・生産プロセスの改善や衛生レベルの改善など
  • 敷地内再構築:既存の敷地内における再構築。老朽化した建物や機器の入れ替えなどにより生産機能のレベルアップを目指す
  • 拠点再編:拠点の立地を含めた生産体制の再編。工場の移転や統廃合など大規模な工場再構築になる

2-4.大切なのは話し合う場を設けること

いろいろな活動内容を紹介してきましたが、最も大切なのは問題点を解決するために何をすべきか、話し合いの場を設けることです。規模が大きい工場ほど、問題点がたくさん隠れています。1人だけでは気づかなかった問題点でも、話し合いの場を設けることで発見できますし、全員が共有できるようになるでしょう。責任者や管理監督者だけで話し合ってしまいがちですが、必ずその工場で働いている従業員を交えることが大切です。現場の状況を把握している人を交えたほうが、より良い改善策を導き出すことができるでしょう。

3.食品工場の改善事例を紹介

それでは、食品工場の改善事例をいくつか紹介しましょう。

3-1.衛生管理への意識向上

どの食品工場でも、衛生管理を徹底していると思いますが、意識を高めるほど生産性も向上しやすくなります。そこで、実際に多くの食品工場で実践しているのが、衛生管理への意識向上です。たとえば、靴底を見せるように置くことで見える化を実践しています。常に清潔であることを見える化することで、個人の衛生への意識が大きく変化するというわけです。また、工場内と工場外を明確にするためにテープでラインをつくったり、手洗いの手順を洗い場に写真つきで掲げたりするなど、見える化は改善効果が期待できるでしょう。

3-2.ケアレスミスを少なくするための作業手順

ある食品工場では、ケアレスミスによる消費者からのクレームを減らすために、作業手順を標準化するための活動を心がけています。作業手順が標準化されていないために作業方法がすべて従業員任せになっており、やってはいけないこととやらなければならないことが不明確なまま作業が行われているからです。そのため、作業員の判断に違いが生まれ、ケアレスミスにつながってしまいます。そのようなことが起きないために、適切な作業手順を標準化し、その内容を共有していかなければなりません。作成手順書のモデルをきちんと確立させて、新人教育のツールとして利用しながら定期的に見直していけば、ケアレスミスも少なくなります。

3-3.製造現場にISOやHACCPを定着させるために

食品工場のおける衛生管理(ISO・HACCPなど)を定着させるために、取り組みを始めている工場が増えています。しかし、なかなか現場で定着しない……と悩んでいる方が多いのも現状です。その場合は、現状においてルール化した内容が実施可能であるか改めて見直す必要があります。工場によって状況が異なるため、現状に合わないかどな規約を持つルールもあるはずです。自分たちの業務をスムーズに遂行するために必要なことをルール化し、コンサルタントの指導も受けることが大切なポイントとなります。

3-4.機材の管理什器を改善

和菓子を製造している工場の中には、機材の管理什器を改善し、整理整頓はもちろん衛生面も向上できたという実例があります。この工場では、ボールなど工場で使う機材の管理什器がなく、整理整頓ができていない状況が問題点でした。そこで、機材専用の管理什器を導入したところ、整理整頓の改善効果がありました。しっかりと水切りができるようになったため、衛生面にも効果が現れたようです。このように、ちょっとした工夫によって使いやすくかつ安心・安全に機材を管理することができるようになります。

4.食品工場の改善活動に関してよくある質問

食品工場の改善活動に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.問題点を放置するとどうなるのか?
A.工場が成り立たなくなってしまいます。予期せぬトラブルが次々と発生したり、重大な事故が起きたりするリスクも高くなるため、問題点を見つけたら早めに対処しなければなりません。また、問題点を放置すればするほど職場環境が悪くなってしまいます。働きにくい環境では、良い食品を生み出すことはできません。ヒューマンエラーも増えることになるので注意が必要です。

Q.ISO、HACCPとは?
A.HACCOPは、食品の製造・加工工程などで発生する恐れのある微生物汚染などを分析し、汚染リスクを防ぐガイドラインのことです。主に、食品の製造や加工業種を対象にしています。そして、ISOはさらに対象が幅広くなっているものです。具体的には、肥料・材料・添加物製造業・食品製造機械メーカー・食品運輸業などが対象となります。

Q.食品工場の5S活動における具体的な方法は?
A.最初の取りかかりとしては、整理整頓が挙げられるでしょう。工場にいるものといらないものをしっかり区別し、いらないものを処分します。けれども、不要なものは人によって異なるため、いらないものだと判断したら1品ごとに赤い紙といった不用品札を対象物に貼りつけ、ほかの人に捨てていいか確認するのが一般的です。

Q.従業員の教育体制も必要なのか?
A.食品工場の改善活動の中には、従業員に対する教育体制も含まれています。問題点を解決するためには、管理監督者や責任者だけでなく、従業員を交えた意思疎通が必要不可欠です。コミュニケーションを積極的に取り、風とおしのいい職場を整えていかなければなりません。特に、ヒューマンエラーは従業員に対する教育の不十分さが大きな原因となるため、定期的に教育を施す必要があります。

Q.機器を入れ替える際の注意点は?
A.現在の工場で何が必要なのか・どのような機器が劣化しているのか把握することが大切です。あれもこれもと新しく入れ替えてしまっては、予算をオーバーしてしまうでしょう。また、新しく購入する機器の専門家に相談することも大切です。高圧式ホモジナイザーの専門メーカーである三丸機械工業では技術相談も行っているので、悩んでいる方はぜひ一度ご相談ください。

まとめ

食品工場で抱える問題は、生産性の低下・製造ラインの複雑化・従業員によるヒューマンエラーなどたくさんあります。これらの問題を解決するには、きちんと原因を把握した上でどのように改善すればいいのか話し合いの場を設けることが大切です。責任者だけでなく、現場で働いている従業員も交えての話し合いを行えば、よりベストな改善策を導き出すことができるでしょう。

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