食品検査の目的を知りたい! 何のために行うの? 必要な機器は?

私たちが毎日食べる食品は、安全かつ衛生的でなくてはなりません。また、健康志向の高まりから、食品の成分や機能をパッケージに表示するのも一般的になっています。こうした食品の安全性や衛生状態、成分や機能を調べるために食品検査をする必要があるのです。

今回は、食品検査の種類や、ホモジナイザーをはじめとする食品検査を行う機械について解説しましょう。

  1. 食品検査とはどのようなもの?
  2. 食品検査用のホモジナイザーについて
  3. 食品検査用のホモジナイザーを導入する方法
  4. 食品検査に対するよくある質問

この記事を読めば、食品検査のことについてよく分かりますよ。興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。

1.食品検査とはどのようなもの?

はじめに、食品検査の種類や目的を紹介します。どのような検査があるのでしょうか?

1-1.食品検査を行う目的

食品検査は、主に食品の安全性や衛生、成分や機能性などを確かめるために行われます。現在、日本では無数の食品が流通しており、使われる食材も世界中から集められてきているのです。そのため、食品に含まれている微生物や残留農薬・放射能などを必要に応じて検査を行います。

また、平成27年度より施行された食品表示法により、一般消費用の加工食品には添加物や栄養成分表示が義務づけられているのです。そのため、栄養成分の検査も必要になります。さらに、生体機能の調節や成人病予防効果などの機能性検査を受ける食品も増えてきているのです。

このほか、消費期限の設定や、アレルギーへの対応策としても食品検査は欠かせません。

1-2.食品検査の種類

食品検査には、

  • 栄養成分検査
  • 残留農薬検査
  • 遺伝子検査
  • 微生物検査
  • 添加物検査
  • 機能性検査

などの検査があります。これらの検査は食品メーカーや、検査を行う専門の会社が行うのが一般的です。

1-3.検査方法

食品検査の方法には、専用のキットなどを使う方法や、特定の機械を使って検査する方法があります。たとえば、食品の中にある細菌やカビ等を検査したい場合は、簡易検査キットなどを利用する方法が一般的です。特に、時間がたつと消えてしまう細菌類などの場合は、簡易キットが有効になります。

一方、食品の成分や残留農薬・機能性などを調べる場合は、研究室で装置を使った検査をすることが多いでしょう。

2.食品検査用のホモジナイザーとは?

この項では、食品検査用のホモジナイザーについて解説します。どのようなものでしょうか?

2-1.ホモジナイザーとはどのような機器?

ホモジナイザーとは、物質を超音波や圧力を使って均一化をする道具です。複数の物質が混ざり合っている場合、成分の大きさにばらつきがあります。それを砕いたり高圧で押し出すことなどにより、均一化するのです。複数の物質が混じり合った物質の場合、成分の大きさに差があります。そのため、ホモジナイザーにかけて成分を均一化し、より高品質な物質にするのです。

2-2.食品検査用ホモジナイザーとは?

一方、食品検査ホモジナイザーは主に固形サンプルから微生物を分離するために使用されます。微生物付きの固形サンプルをホモジナイザーにかけると、バックミキサーという部分に微生物だけが抽出されるのです。食品にどのような微生物が付着をしているか調べたい場合や、少量の微生物を固形物から分離させ培養したいという場合は、食品検査用のホモジナイザーを使用して微生物だけを取り除きます。

なお、ホモジナイザーは大型から卓上型までさまざまな種類がありますが、食品検査用のホモジナイザーは卓上型です。数十g~数百gのサンプルを約30~60秒でホモジナイズすることができます。

3.食品検査用のホモジナイザーを導入する方法

前述のとおり、食品検査用のホモジナイザーは卓上サイズで場所を取りません。また、30~60秒で固形サンプルから微生物を分離できるので、食品加工会社などが自社で食品検査を行いたい、という場合でも導入できます。ホモジナイザーは多くの食品会社・医薬品会社・化粧品メーカーなどで使用されており、サイズもさまざまです。導入を考えている場合は、ぜひ三丸機械工業のような、専門の業者に相談をしてみましょう。

ホモジナイザー自体はレンタルも中古市場も活発です。しかし、食品を検査するという性質上、やはり新品を導入するのがおすすめでしょう。また、専門の業者から導入すれば、アフターフォローも手厚いというメリットがあります。中古品やレンタルよりも新品は高価ですが、アフターフォローがついてくると考えると、長い目で見ればお得です。

なお、産業博覧会などのイベントではデモ機が出展している可能性があるので、一度足を運んでみるとよいでしょう。

4.食品検査に対するよくある質問

Q.食品検査をするには、何らかの資格が必要ですか?
A.いいえ。特に必要はありません。しかし、理系の大学や短大を出た人に任されることが多いでしょう。

Q.食品検査は、食品工場や専門の会社でしか行われていないのですか?
A.いいえ。簡易的な検査は空港や港の関税でも行われているでしょう。また、食中毒が発生した場合は保健所が食品の検査を行うこともありますので、皆様が考えているよりも多くの場所で検査は行われているのです。

Q.食品検査には、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
A.検査によって異なります。簡易検査ならば30分くらいで結果が出ますが、培養する必要がある場合などは1週間くらいかかるでしょう。ホモジナイザーを使った微生物の検査は、微生物を分離するだけならば1分以内に行えます。

Q.食品検査用のホモジナイザーは専用のものが必要でしょうか?
A.はい。食品や化粧品、医薬品等を製造するためのホモジナイザーは大型のものが多く、検査には不適です。

Q.食品検査用のホモジナイザーは、微生物検査以外には使えないでしょうか?
A.基本的には使えません。食品検査用ホモジナイザーは微生物の分離に特化した検査機器です。

おわりに

今回は食品検査についていろいろと解説しました。食品検査と言ってもその種類は多岐にわたり、専用の会社でなければさまざまな検査を一度に行うことはできないでしょう。微生物の分離や培養は食中毒を防ぐうえでも有効な検査です。ホモジナイザーの操作は簡単で、説明を受ければ誰でも使用できます。

また、1分程度あれば微生物の分離が可能なので、研究所以外でも比較的導入しやすい検査機器と言えるでしょう。さらに、検査は専用のパックに入れて行われるので、検査機器が汚れず、手入れも簡単です。