乳化と分散の違いは何? やり方と共に詳しく解説!

乳化と分散とは、本来混じり合わないものを混ぜ合わせることです。食品や化粧品、医薬品などを作る際、乳化や分散は欠かせません。では、乳化と分散の違いは何か? と問われると首をかしげてしまう人も多いでしょう。
そこで、今回は乳化と分散の違いについて解説します。

  1. 乳化と分散の違いについて
  2. 乳化と分散を行う機械とは?
  3. ホモジナイザーを導入する方法
  4. 乳化と分散に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、乳化と分散の方法やそれを行う機械の種類についてもよく分かることでしょう。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.乳化と分散の違いについて

この項では、乳化と分散のそれぞれの定義や、行うメリットについて解説します。どのようなメリットがあるのでしょうか?

1-1.乳化とは何か

乳化とは、水と油のように本来は混じり合わない液体同士を混じらせることです。ドレッシングを例に説明します。ドレッシングは油と酢が主成分です。この2つは普段は分離していますが、よく振ると混じり合います。これが、乳化です。白く濁ったような色になるのが特徴で、油の中に水が混じり合うものがo/w乳化、水の中に油が混じり合うものがw/o乳化になります。食品だけでなく、燃料や化粧品など、乳化の仕組みを利用して製造する製品も豊富です。

1-2.分散とは何か

分散も、本来は混じり合わないものを混じらせることで、ここまでは乳化と同じです。ただし、乳化が液体同士で行うのに対し、分散は液体の中に固体を均一に混じり合わせることを指します。たとえば、水の中に砂を混ぜた場合、通常では砂は水の下方に沈むものです。それをよく混ぜ合わせれば、一時的に水の中に砂が均一に混じります。これが、分散です。乳化と同様、分散の仕組みを利用した製品もたくさんあります。また、気体の中に固体が均一に混じることも分散の一種です。

1-3.なぜ、分散や乳化を行うのか?

食品、化粧品、医薬品など、世の中には複数の物質を混ぜ合わせて製造する製品がたくさんあります。これらの製品は乳化や分散をすることで、より高品質で種類が豊富になるのです。また、乳化と分散は石けんの原理でもあります。汚れの成分は油脂や固体(泥や砂)が原因であることが多く、そこに界面活性剤が主成分である石けんを加えることで、水と汚れの間で乳化、分散が起こって安定するのです。すると、汚れが水に溶けだします。ではなぜ、界面活性剤が乳化と分散に関係があるのか、それは次の項で解説しましょう。

1-4.乳化と分散を安定させる物質について

さて、乳化と分散もそのままでは安定しません。時間がたてば再び水と油、液体と固体に分離してしまいます。本来混じり合わないものを混じらせた状態で安定させるのが、「界面活性剤(乳化剤)」です。たとえば、酢と油を混ぜ合わせてしばらくたつと分離してしまいますが、そこに卵を入れると分離せずにクリーム状になって固まります。これが、界面活性剤の働きです。界面活性剤にもいろいろな種類があります。

2.乳化と分散を行う機械とは?

この項では、乳化と分散を行う機械について解説します。どのような機械があるのでしょうか?

2-1.基本は混ぜる

乳化と分散は基本的に混ぜれば行えます。ですから、キッチンにある泡だて器も、乳化や分散をする立派な機械です。工場ならば、攪拌装置(かくはんそうち)を設置して行います。ただし、ただ攪拌するだけでは物質同士を均等に混ぜることは難しいでしょう。

2-2.高圧で押し出す

物質同士をより均一に混ぜ合わせたい場合は、混ぜ合わせた物質同士を容器の中に入れ、高圧をかけて狭い隙間から広い場所へ押し出します。こうすることにより、物質の粒子が細かく砕けて、より均一に混じり合うのです。このような機械をホモジナイザーと言い、ホモジナイザーにかけることをホモジナイズ処理と言います。

2-3.超音波で砕く

少量の物質を均一に乳化・分散化したいという場合は、超音波で物質の粒子を砕く方法が用いられます。このような機械もこれもホモジナイザーの一種ですが、高圧で押し出すタイプに比べるとコンパクトです。そのため、研究室などで実験のために使われるケースも多いでしょう。

2-4.ホモジナイザーを使うメリット

単に攪拌をするよりホモジナイザーを使用した方が、物質同士がより均一に混じり合います。そうすると、より高品質の製品ができるのです。食品や医薬品などを製造する工場では、ホモジナイザーが大活躍しています。

3.ホモジナイザーを導入する方法

ホモジナイザーは、いろいろなメーカーから豊富な種類が製造・販売されています。また、中古市場も活発ですので、ホモジナイザーを導入する場合は、新品の購入・中古の購入・レンタルと選択肢が豊富です。迷ってしまう人も多いことでしょう。ホモジナイザーを導入したい、買い替えたいと思った場合は、ぜひ三丸機械工業のような、専門の業者に相談をしてみてください。なお、三丸機械工業では、ホームページからご相談を受け付けています。とりあえず話だけでも聞いてみたい、という場合もおすすめです。三丸機械工業では、アフターサービスにも力を入れています。ホモジナイザーは高価な機械ですので、アフターサービスが充実していれば安心です。また、可能なかぎりお客様の希望に添えるように努力いたします。

4.乳化と分散に関するよくある質問

Q.乳化と分散をしても、食品の栄養価や品質に問題はないのでしょうか?
A.はい。全くありません。

Q.ホモジナイザーをレンタルしたい場合、どのくらいの期間借りることができますか?
A.業者によって異なりますので、まずは相談してみてください。

Q.ホモジナイザーを買い替えるメリットはありますか?
A.もちろんです。ホモジナイザーも年々進歩しており、新しいものほど省エネ高性能となっています。「まだ動くけれど20年近く同じ機械を使っている」という場合は、ぜひ買い替えをご検討ください。

Q.ホモジナイザーの大きさはどのくらいですか?
A.製造ラインに組み込める大きさから、卓上で使用できるサイズまでさまざまなものがあります。用途に合わせてお選びください。

Q.ホモジナイザーはどんなものでも乳化や分散化が可能ですか?
A.乳化、分散化できる物質については、メーカーにご相談ください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は乳化と分散の違いについて解説しました。乳化は液体同士、分散は液体と固体、期待と固体で行うものと覚えておくといいでしょう。どちらも高品質な製品を作るうえでは欠かせません。ホモジナイザーの性能によっても、できあがりに差が出ます。