牛乳製造に必要な均質化・ホモジナイザーとは? 機械の選び方など


学校給食でも出されている牛乳は、たくさんの栄養素が含まれています。一般的に販売されている牛乳のほとんどは、“ホモジナイズ(均質化)”されたものです。ホモジナイズとは、液体に含まれる粒子の大きい物質を小さくすることであり、そのためには“ホモジナイザー”と呼ばれる機械を使わなければなりません。液体を均質化しているからこそ、牛乳の製造ができるのです。そこで、本記事では、牛乳の製造過程や均質化・ホモジナイザーの基礎知識・業者選びのコツなどについて詳しく説明します。

  1. 牛乳の製造過程について
  2. 牛乳の均質化について
  3. 牛乳の均質に必要な機械について
  4. 牛乳の均質化に関してよくある質問

この記事を読むことで、牛乳の製造や均質化・必要な機械について知ることができます。気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

1.牛乳の製造過程について

販売されているほとんどの牛乳は、ホモジナイザーを使って製造されています。一体どのような流れで製造されているのでしょうか。牛乳製造の大まかな流れや牛乳の種類について説明します。

1-1.牛乳製造の大まかな流れ

最初に、製造工場が牧場から牛乳を受け取ります。これを「受乳(じゅにゅう)」と言い、検査して合格した牛乳だけを工場のタンクに入れるのです。タンクに入れた後は、目に見えない小さなゴミを取りのぞくための清浄化を行います。牛乳は、栄養が豊富に含まれているため、雑菌が増えやすいのです。そのため、牛乳の品質を維持するために、冷却します。それから、ホモジナイザーを使って、均質化を行い、よりなめらかな牛乳にしているのです。そして、殺菌・冷却を行った後に、パックやビンに詰めます。最後に、もう1度検査を行い、合格した牛乳が大きな冷蔵庫に入れられて出荷するという流れです。以上の流れを、以下にまとめましたので再度確認してください。

  1. 受乳(じゅにゅう)・検査
  2. 清浄化
  3. 冷却・貯乳(ちょにゅう)
  4. 均質化
  5. 殺菌・冷却
  6. パックやビンなどへ充てん
  7. 検査・出荷

1-2.牛乳の種類

スーパーで販売されている牛乳の多くは、加熱殺菌されたものです。牛から直接しぼったものを生乳(せいにゅう)と言います。牛乳を大まかに区別すると、特別牛乳・低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・成分調整牛乳にわけることができ、それぞれ製造方法が異なるものです。

  • 特別牛乳:特別牛乳搾取処理業の許可を受けた施設でしぼった牛乳を処理・製造したもの。無脂乳固形分8.5%以上、乳脂肪分3.3%以上で、一般的な牛乳よりも濃厚
  • 低脂肪牛乳:乳脂肪分の一部を減らして低脂肪にしたもの
  • 無脂肪牛乳:低脂肪牛乳よりもさらに低脂肪分を取りのぞいたもの。乳脂肪分は0.5%以内
  • 成分調整牛乳:乳脂肪分・無脂乳固形分・水分などの成分を一部除去したもの

また、低温保持殺菌・高温短時間殺菌など、殺菌方法の違いもあります。低温で長時間殺菌した牛乳は、高温殺菌よりも賞味期限が短めです。さらに、均質化をしているホモとしていないノンホモの違いも挙げられます。均質化している牛乳=ホモのほうが、粒子・成分が細かくなっているため、栄養の吸収率や消化率が高いのです。

2.牛乳の均質化について

ホモとノンホモの違いがあるように、牛乳の均質化とは一体どのような方法なのでしょうか。ホモジナイズの概要や目的・必要性などについて詳しく説明します。

2-1.牛乳の均質化=ホモジナイズとは?

牛乳の中には、脂肪球という脂肪の粒が含まれています。脂肪の粒をそのままの状態にしていると、脂肪球同士がくっついてしまうのです。そこで、ホモジナイズを行うことで、脂肪球同士の結合を防ぎます。脂肪の粒を細かくして、牛乳に含まれる栄養素を均等にしているのです。ホモジナイズは、よりなめらかな牛乳を作るための過程と言えます。

2-2.目的・必要性

牛乳の均質化(ホモジナイズ)の目的は3つあります。1つ目は、品質の安定化を図るためです。牛乳に含まれる脂肪分が均等になるため、分離が起こりにくくなります。その結果、安定した品質の牛乳を提供し続けることができるのです。賞味期限まで味が変わらないのも、ホモジナイズされているからと言えます。2つ目は、消化吸収をよくするためです。ホモジナイズで細分化された脂肪分の粒は、胃腸に吸収されやすい大きさとなります。そして、最後の3つ目は、栄養素が均等になることです。牛乳は、豊富な栄養素が脂肪分として含まれています。脂肪分が固まっていると、その栄養が体中に行きわたりません。しかし、ホモジナイズを行うことで均等に分散させることができ、吸収率が高まります。

2-3.均質化しないとどうなるか?

牛乳を均質化しなければ、保存中に脂肪が浮いてきてしまいます。脂肪分・栄養素が分離されやすくなり、常に固まっている状態になるのです。その結果、均質化されていない牛乳は品質を保ち続けることができません。体に栄養が吸収されず、消化も悪くなります。

3.牛乳の均質に必要な機械について

牛乳を均質化するためには、ホモジナイザーと呼ばれる機械が必要です。ホモジナイザーの基礎知識や特徴・利用分野・食品用ホモジナイザーの選び方・業者選びのポイントなどについて説明します。

3-1.ホモジナイザーについて

最適なホモジナイザーを選ぶためには、原理・構造・目的・種類とその特徴など基礎知識を身につけておかなければなりません。それでは、詳しく確認していきましょう。

3-1-1.原理

ホモジナイザーの原理はシンプルです。ポイントは、高圧力とホモバルブの2点となります。液体の中にある粒子に高圧力をかけた後、ホモバルブで粒子を粉砕・分散する仕組みです。高圧力とホモバルブの組み合わせによって、粒子が均一になります。つまり、高圧力とホモバルブが備わっていなければ、原理が成り立たなくなるのです。

3-1-2.構造

ホモジナイザーの構造は、種類によって異なります。一般的に、ポンプ・ローター・バルブ・駆動モーターなどで構成されている機械です。駆動モーターが原動力となり、液体がポンプの中を流れていきます。ローターとバルブの部分で、液体の中にある粒が細分化される仕組みです。具体的な構造は、圧力・動力・流量・加圧方式の違いによって異なります。購入前に、どのようなものが備わっているのか、きちんと確認しておかなければなりませんね。

3-1-3.目的

ホモジナイザーの大きな目的は、粒子の微細化・均質化です。目で確認できない粒を細かくして、微小なサイズにそろえます。粒子が均質化すれば、混ざりやすい状態になるのです。均等に栄養が混ざり合い、高品質な牛乳ができあがるでしょう。ホモジナイザーを使うことで、脂肪分の分離・沈殿を防ぐこともできます。

3-1-4.種類とその特徴

大まかに、高圧式ホモジナイザー・超音波ホモジナイザー・超高速ホモジナイザーの3種類にわけることができます。それぞれの特徴を以下にまとめたので、ぜひチェックしてください。

  • 高圧式ホモジナイザー

液体に高圧力をかけて均質バルブに流し、インパクトリングと呼ばれる部位に衝突させることで粒子が粉砕する仕組みです。均質バルブを2回通過させるため、別名・2段式とも呼ばれています。高圧力をかけるため、微小サイズへの微粒化・均一化が特徴です。

  • 超音波ホモジナイザー

液体に超音波振動を与え、微小な泡を発生させる仕組みです。超音波レベルの振動で生まれた泡は、真空状態となり、液中で弾(はじ)けます。そのときに生まれる大きな衝撃によって、粒子を粉砕する流れです。大量の液体処理に向いていないと言われていましたが、技術力の向上によって改善されつつあります。

  • 超高速ホモジナイザー

固定外刃の中で、回転内刃が高速回転する仕組みです。内刃の高速回転によって、液体の粒子がすりつぶされて微細化・均一化できます。超高速は内刃と外刃の間に高周波が生まれるため、さらなる微細化が可能です。

3-2.ホモジナイザーの別の利用分野・実例について

食品以外にも、ホモジナイザーはさまざまな分野で活躍しています。ここでは、利用分野・実例について確認していきましょう。

3-2-1.化学

化学分野で代表的な実例は、インク・研磨剤です。インクは、濃度にムラが出てしまうと商品として成り立たなくなります。濃度を一定にするためにも、ホモジナイザーが大活躍するのです。そして、研磨剤には、スクラブと呼ばれる粒子が含まれています。販売されている研磨剤は、すべて、ホモジナイザーでスクラブを微細化したものです。

3-2-2.化粧品

女性が毎日使う化粧品にも、ホモジナイザーが使われています。たとえば、スキンケアに使用する美容液・乳液・化粧水です。これらにはさまざまな成分が含まれており、すべての成分を均質化させるためにも、ホモジナイザーが活躍しています。ホモジナイザーを使用することで、成分の粒が細かくなり、お肌への浸透力も高まるのです。

3-2-3.医学

医薬品のソフトカプセル・軟膏(なんこう)・クリームなどの製造過程において、ホモジナイザーが使われています。また、生物由来の医薬品を製造するバイオテクノロジー分野においても、必要不可欠な機械です。バイオテクノロジー分野の行程に、細胞を粉砕して内容物を回収する流れがあります。回収する成分を破壊せずに、細胞だけを粉砕する機械として活躍中です。

3-2-4.そのほか

ほかにも、マヨネーズ・ケチャップ・ドレッシングなどの食品製造にもホモジナイザーが使用されています。ホモジナイザーを使うことで、均質に混ぜることができない素材を混ぜ合わせることが可能です。また、ココア・ジュースなど、牛乳以外の飲みものの製造や研究分野でも使われています。

3-3.食品用ホモジナイザーの選び方

食品分野でよく使われているのは、高圧式ホモジナイザーです。牛乳などの乳製品は、沈殿・浮遊する特徴を持っているため、乳化・均質を維持し続けなければなりません。乳製品の中にある脂肪分が分離しないためにも、高圧力を用いた高圧式ホモジナイザーの導入をおすすめします。高圧式ホモジナイザーは、均質バルブを2回通過するため、ほかのホモジナイザーよりも粒子の微細化・均質化が可能です。安定した牛乳を作り続けるのに、最適な種類と言えるでしょう。また、ホモジナイザーを選ぶ際は、何の目的で使用するのか明確にしてくださいね。

3-4.業者選びのコツ

最適なホモジナイザーが選べるかどうかは、業者選びにかかっています。安心して購入できる業者を選ぶためにも、以下のポイントに注目してください。

  • 丁寧かつスピーディーな対応
  • 技術相談を行っている
  • 幅広い種類のホモジナイザーがそろっている
  • 省エネ仕様のホモジナイザーがある
  • 24時間365日の緊急対応に備えている
  • テスト機の使用ができる
  • 定期的なメンテナンスなどのアフターフォローが整っている

4.牛乳の均質化・ホモジナイザーに関してよくある質問

牛乳の均質化・ホモジナイザーに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

4-1.ノンホモ牛乳の特徴とは?

ノンホモ牛乳は、時間が経過するほど乳脂肪分の浮上が目立ちます。よって、飲み始めは濃く感じるでしょう。生乳(せいにゅう)に近い状態と言えます。

4-2.ホモジナイザーの耐用年数は?

およそ30~40年と言われています。しかし、定期的なメンテナンスが必要です。ホモジナイザーは、さまざまな部品で構成しているため、劣化や腐食具合を調べなければなりません。トラブルが起きると製造ラインに悪影響をおよぼします。急なトラブルに対処できる業者を選ぶのも大切です。

4-3.毎日できるホモジナイザーのお手入れとは?

使用後のお手入れを入念にしましょう。たとえば、機械についているホコリや汚れを、やわらかい布で取りのぞいてください。また、ホモジナイザーの周辺環境も清潔を保ちましょう。周辺環境が汚ければ、ホモジナイザーの投入口から異物が入り込む恐れがあります。

4-4.ホモジナイザーのテスト機とは?

「購入前にホモジナイザーを試してみたい」と考えている方は、テスト機の利用をおすすめします。テスト機を導入して、実際に現場での使用が可能です。高圧式ホモジナイザーを中心に販売している「三丸機械工業」は、テスト機の貸し出しを実施しています。ぜひ1度、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

4-5.省エネホモジナイザーの特徴が知りたい

ホモジナイザーの使用はエネルギーが必要で、消費電力が大きいほど電気代がかかります。工場全体の運営を維持するためにも、省エネ仕様の機械を選択しましょう。省エネホモジナイザーは、必要最低限のエネルギーを使い、無駄な消費量を削減します。

まとめ

いかがでしたか? 牛乳の中にある脂肪球の微細化・均質化をするために必要な機械が、ホモジナイザーです。食品以外にも、化学・化粧品・医学・研究分野などで大活躍しています。ホモジナイザーにはさまざまな種類がありますが、牛乳などの食品分野に最適な種類は、高圧式ホモジナイザーです。均質バルブを2回通過する仕組みになっているため、ほかの種類よりも確実な微細化・均質化ができ、品質の維持ができます。高圧式ホモジナイザーの専門業者も存在しているため、1度相談してみてはいかがでしょうか。ホモジナイザーの基礎知識を身につけておけば、最適な種類が選択できます。


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