工場の品質管理の方法は?職務内容などをご紹介します!

品質管理は、工場で最も大切な仕事のひとつです。品質管理がいいかげんですと、工場そのものの信頼が失われてしまうでしょう。

そこで、今回は工場の品質管理を行う方法や各工場の取り組み方などをご紹介します。品質管理というと、不良品を出さないことに力を入れているところも多いでしょう。しかし、それ以外にもできることはたくさんあるのです。工場に勤務している方はもちろんのこと、製造管理の仕事に就いている方もぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 品質管理とは?
  2. 品質管理を行うために必要なことは?
  3. 機械を変えることも品質管理の一環

1.品質管理とは?

工場における品質管理とは、顧客が望む品質の製品をいかに合理的、経済的に生産できるかを考え、製造方法に反映することです。安定した高品質の製品を常に出荷し続けることも品質管理の一環ですが、それだけでは不十分と思われてしまいます。日本の製造業の技術は高く、高品質な製品を安定して供給することは、当然のことだと思われているのです。

ですから、品質管理の仕事は「よりよい製品を、より経済的に」製造できるようにすることが、主な職務になります。では、そのためにはどのようなことをすればよいのでしょうか? それ次の項でご紹介します。

2.品質管理を行うために必要なことは?

この項では、品質管理を効率的に行うために必要なことの一例をご紹介します。どれもがスムーズに実行できるとは限りませんが、努力していくことが大切です。

2-1.顧客の要望を聞く

製品を製造する技術は、日々進歩しています。それにともない、顧客の要望も少しずつ変わっていくでしょう。伝統も守ることも大切ですが、顧客の要望をかなえようという姿勢を見せることも大切です。顧客の意見を取り入れた結果、製品が進歩したという例は少なくありません。顧客との交渉は営業の仕事と思われがちですが、品質管理の仕事をしていても、顧客との話し合いは重要です。

2-3.製造現場の問題点を見つけ、リスク解決の努力をする

しかし、顧客の要望を単に製造現場に伝えて「このような製品を作ってください」とお願いしたところで、実現するのは難しいでしょう。どんな製品でも、完成するまでには複数の行程があります。その手順や行程を変えるには、手間と時間がかかるのです。そのため、製品を改良したい場合は、製造現場の問題点を見つけリスク解決の努力をすることが必要でしょう。

たとえば、もう少し納品の期日を短くしてほしいと顧客から要望があったとします。品質管理の仕事は、それを実現する方法を考えることです。製造現場の人手が足りなければ、人事にかけあって人手を増やしてもらうのが最も手っ取り早いでしょう。しかし、人を雇う、というのはそう簡単な話ではありません。ですから、製造に使う機械を最新式のものに変えたり、製造工程を短縮する方法を考えたりすることも大切なのです。

また、それと同時に製造スピードを上げたことで発生するリスクを考え、それに対処する方法も考えなければなりません。

2-4.現在の製造過程や製品の品質を把握しておく

自社の製造工程や製品の改良やリスクを解決するには、現在の製品を製造する過程や品質を把握しておかなくてはなりません。今の製造は分業化が進み、いくつも製造過程がある製品ほど、「自分が作っている工程しか作業内容ややり方も分からない」という方も増えているでしょう。

また、機械によるオートメーション化が進んでいるところでは、人の手が入っている場所や、すぐに改善できる箇所が少なかったりします。そのため、製造過程や品質を把握していないと顧客から要望があった際、それがかなえられるものか無理なのかも、判断できません。品質管理の仕事に就く場合は、現在の製品の製造過程や製造方法、そして品質は把握しておきましょう。

2-5.顧客と製造現場の橋渡しができるコミュニケーション能力

顧客は、製造現場の様子が完全には分かりません。ですから、現場からするとむちゃな要求をしてくることも珍しくはないでしょう。

また、現場は自分たちの考え方が偏っていたり、硬直化していたりすることに気づかないこともあります。たとえば、工程を効率化できる方法があったとしても、考えたり工夫したりする前に「無理だ、できない」と返事をしてしまうことも珍しくないでしょう。特に、長年同じやり方で製品を作り続けてきた工場ほど、その傾向が強いです。これでは、製品が改良されるきっかけもつかめませんし、顧客の要望がかなえられることもありません。

その結果、売り上げが下がったり製品が時代遅れになってしまったりすることもあるでしょう。製品管理は、この二か所の橋渡しをしてあげることが大切になります。顧客の要望を製造現場に伝えつつ、顧客には製造現場からの声としてできないことと工夫できる余地があることを分かりやすく伝えましょう。そうすれば、双方が感情的になることもなく、スムーズに製品改良が行えます。

品質管理は、単に顧客と現場のメッセンジャーになってはいけません。双方の意見を伝えつつ、自分の意見をクッションにして感情的な対立が起こらないように気を配りましょう。

3.機械を変えることも品質管理の一環

製造に使う機械は、大型で高価なものも少なくありません。また、古い機械でも作動に問題がなければ10年、20年と使い続けられるでしょう。確かに、古い機械でも高品質の製品を作ることは可能です。しかし、古い機械ほど使う人の技術や経験が必要になります。そのため、ベテランの職人さんが年齢を理由に退職したりすると、機械を操作できる人がいなくなってしまう、とういうことも珍しくないでしょう。

また、ホモジナイザーのような超音波を使う機械は、毎年のように新製品が出たりします。さらに、最新の機械はパソコンと連動できたり、誰が使っても高品質の製品ができやすくなったりしているでしょう。そのうえ、メンテナンスも簡単です。すべての機械が新しいものの方がよい、ということはできません。しかし、液体中の粒子を均一化するホモジナイザーに限れば、ここ20年の間に確実に技術が進歩し、より高品質の製品を安定して生み出せるようになっています。

そのため、ホモジナイザーを交換するだけで顧客が求める製品ができるようになる可能性もあるでしょう。人を雇ったり操業時間を延長したりするよりも、機械を交換した方が結局はコストがかからないケースも少なくありません。

おわりに

今回は、品質管理のやり方や重要性についてご紹介しました。品質管理の仕事がしっかりとしている企業ほど、新製品も開発されやすくなっています。「うちは昔からこのやり方でやってきたから」という企業ほど、時代の流れに取り残されていくことが多いでしょう。

工業の世界は、日に日に進歩しています。分野によっては1年前に開発された技術が時代遅れになってしまうこともあるでしょう。そのため、品質管理の仕事をしている方は、製品開発の方とも協力してよりよい製品を経済的に製造できる努力が大切です。製造過程を工夫するだけで、コストが削減できることも珍しくありません。

また、製造機械など設備を交換するのも、大切な品質管理の一環です。「まだ使える」「もったいない」という気持ちもありますが、新製品の展示会などがあったら積極的に参加してみましょう。