エマルジョン燃料とはどういうもの? 特徴や使い道をご紹介します。


「エマルジョン燃料」とは、あまり聞きなれない名前かもしれません。
しかし、私たちの身近な場所で活躍している燃料なのです。
そこで、今回はエマルジョン燃料の特徴についてご紹介します。
「エマルジョン」とはいったいどのような意味なのでしょうか?
また、エマルジョンの意味についてもご説明します。
燃料というと、石油製品というイメージが強いですが、石油製品にあるものを加えると環境に優しい燃料になるのです。
興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

目次

  1. エマルジョン燃料とは?
  2. エマルジョン燃料のデメリットとは?
  3. 技術の進歩とエマルジョン燃料
  4. エマルジョン燃料の品質を区別する方法とは?
  5. おわりに

1.エマルジョン燃料とは?

まず始めに、エマルジョン燃料とはいったい何かということや、特徴などをご紹介します。
いったいどのようなものに使われているのでしょうか?

1-1.エマルジョンとは?

エマルジョンとは、「乳化」の英訳です。
乳化というのもあまり聞きなれない言葉ですが、水と油を混ぜ合わせることを「乳化」といいます。
水と油、というのは本来混じり合わないものです。
しかし、勢いよく水と油を混ぜ合わせれば一時的ですが、混ぜ合わせることが可能になります。
サラダにかけるドレッシングをかけるまえによく振るのは、水性と油性の調味料を混ぜわせるためです。
しかし、ただ混ぜ合わせるだけでは時間がたてば水と油は分離してしまうでしょう。
そこで、乳化した状態を安定させるために使うのが「界面活性剤」です。
界面活性剤は、水の分子と油の分子の間に入りこみ接着剤の役割を果たします。
ですから、水と油が混じり合った状態のまま安定するのです。

1-2.エマルジョン燃料とは?

エマルジョン燃料とは、重油、軽油、灯油などの燃料に水と界面活性剤を添加して機械的に撹拌(かくはん)したものです。
ですから、乳白色に濁っておりオイル中の水が分散した状態になっています。
通常の燃料に水が混入すると使い物にならなくなるでしょう。
しかし、エマルジョン燃料はあらかじめ機械で高速に水と油を撹拌(かくはん)することにより、水の分子が小さくなっており油の中に界面活性剤に包まれるようにして浮いているのです。
ですから、問題なくエンジンを動かすことができます。
エマルジョン燃料はボイラーやディーゼルエンジンを搭載した自動車用の燃料として使われているのです。
ちなみに、ボイラーといっても風呂用や暖房用のボイラーではなく、ビニールハウス用のボイラーに使われることが多いでしょう。

1-3.エマルジョン燃料の特徴とは?

エマルジョン燃料を燃やすと、水を包んでいる油が燃えて中の水が急速に沸騰します。
そのため、空気との接触面が増加して燃焼効率が上がるのです。
また、ものを燃焼させるために必要な空気の量も減りますので、ボイラー内を加熱するための余分な燃料も少なくできます。
さらに、燃料を燃やすと排気ガスが出るでしょう。
エマルジョン燃料を使うと、排ガスの量が少なくなるのです。
ディーゼルエンジンは、燃費がよいというメリットがある反面排ガスの量が多いというデメリットがありました。
ですから、自治体によっては、1日に自治体内に入るディーゼルエンジン車両を規制しているところもあるのです。
しかし、エマルジョン燃料を使えば排ガスの量が減りますので、より多くの車両を乗り入れさせても問題ありません。
また、ボイラー内にすすもつかないので、ボイラー本体も劣化しにくくなるのです。

2.エマルジョン燃料のデメリットとは?

さて、このようにメリットも大きなエマルジョン燃料ですが、デメリットもあります。
エマルジョン燃料は水と混じり合っているので、純粋な燃料だけのものより引火点が高くなるのです。
また、水は0度で凍ってしまうので凍りやすくもなります。
ですから、北海道など冬は氷点下になるのが当たり前の地方では、エマルジョン燃料は使いにくいでしょう。
さらに、エマルジョン燃料はいくら界面活性剤を使っているとはいえ、時間がたつと水と油に分離しやすくなります。
こうなってしまったら、再び燃料として使うためには、また高速で撹拌(かくはん)しなくてはなりません。
そのためのコストがかかりますし、燃料としての寿命が短ければ大量に購入して保管しておくことも不可能です。
ですから、エマルジョン燃料は空気を汚さずに済むという大きなメリットがありながら、いまひとつ普及していませんでした。

3.技術の進歩とエマルジョン燃料

しかし、バイオエタノール燃料の開発が盛んになると、エマルジョン燃料も再評価されるようになりました。
また、乳化の技術も進歩して、界面活性剤を使用せずに乳化できるエマルジョン燃料も出てきたのです。
その結果、時間がたっても分離しない高品質のエマルジョン燃料も開発されるようになりました。
その結果、従来のエマルジョン燃料を「低品質エマルジョン燃料」新しい技術で作られた燃料を「高品質エマルジョン燃料」といわれるようになったのです。

4.エマルジョン燃料の品質を区別する方法とは?

では、エマルジョン燃料を区別するには、どこを見ればよいのでしょうか?
この項では、エマルジョン燃料の区別のつけ方をご紹介します。

4-1.粘度

高品質のエマルジョン燃料は、粘度が低くさらさらとしています。
ですから、着火がよくノズルから燃料がたれることもありません。
逆に粘度が高くなるほど、着火が悪く燃料の一部が燃焼せずに排ガスとともに排出されてしまうのです。

4-2.油水分離

前述したように、いくら界面活性剤を使用していても時間がたてば油と水は分離してしまいます。
しかし、最近の技術で乳化した燃料は時間がたっても油水分離しないのです。
ですから、エマルジョン燃料が油水分離しているようでしたら、使わない方がよいでしょう。

4-3.二層化しているかどうか

乳化の仕方が不十分ですと、燃料の中に水が多い部分と油の多い分の二層ができてしまいます。
このように二層に分かれたエマルジョン燃料を使用すると、燃料の燃え方に差が出てきて、ボイラーに負担がかかってしまでしょう。
また、燃費も悪くなりやすいのです。
ですから、「昔はエマルジョン燃料を使っていたが、いうほど燃費がよくなかった」という人は、二層化した燃料を使っていた可能性があるでしょう。
今の燃料は二層化になっていませんので、燃え方も均一で燃費もよいです。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、エマルジョン燃料の特徴などについてご紹介しました。
まとめると
エマルジョン燃料とは、燃料と水を高速で撹拌(かくはん)して、界面活性剤で安定化させたもの。

  • 燃費がよくなって空気も汚さずに済むというメリットがある。
  • 時間がたつと水と油が分離してしまう可能性があり、引火点が高く凍りやすいというデメリットがある。
  • 技術に進歩により、エマルジョン燃料の品質は格段に向上した。

ということです。
エマルジョン燃料は、現在需要が少しずつ伸びています。
しかし、需要が高まるにつれて高品質のエマルジョン燃料の生産が追い付かない、という事態も起きているのです。
ですから、エマルジョン念慮を購入するときは品質を確かめて確かなメーカーから購入しましょう。
また、エマルジョン燃料は加工に手間がかかるために通常の燃料よりの高価です。
ですから、安すぎる燃料にも注意してください。


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