ホモミキサーとホモジナイザーの違いについて知ろう! それぞれの原理は?

「ホモミキサー」という言葉を聞いたことはありますか? 研究室や製品を作り出すためには必要不可欠の機械です。なかなか聞くことのないホモミキサーとは、どのようなものなのでしょうか。具体的にどのようなときに使うのか、ホモジナイザーとの違いについても説明します。ホモミキサーについて気になっている人は、ぜひチェックしてくださいね。

  1. ホモミキサーとは?
  2. ホモミキサーの原理
  3. ホモミキサーとホモジナイザーの違い

1.ホモミキサーとは?

食品・製薬関連の企業には必要不可欠な「ホモミキサー」とは、いったいどのような機械なのでしょうか。ホモミキサーについて詳しく説明します。ホモミキサーについて知りたい人は要チェックです。

1-1.液体同士を混ぜ合わせる機械

製品工場や研究・実験場でよく使う機械が、「ホモミキサー」です。始めて名前を聞く人も多いのではないでしょうか。ホモミキサーと簡単に説明すると、液体同士を混ぜ合わせる機械になります。普通の液体なら、人の手でも混ぜることができるでしょう。しかし、液体の中には人の手ではなかなか混ざらないものもあります。

そこで、ホモミキサーの登場です。ホモミキサーは、ただ単に液体を混ぜ合わせるだけではありません。素早く、超高速で混ぜ合わせることができるのです。そのため、ほとんどの液体を混ぜることができるでしょう。研究・実験室では、必要不可欠な機械になっています。

1-2.効率的な乳化が可能

乳化とは、混じり合うことのない液体同士をよく混ざり合った状態にすることです。たとえば、油と水が交じり合わない代表的な液体になるでしょう。決して混ざることのない油と水のような液体同士を混じり合わせるのがホモミキサーだと、先ほど説明しました。しかし、ホモミキサーの特徴は「効率的な乳化が可能になる」という点です。

混ざり合ったとしても、すぐに分離や沈殿してしまうと意味がありませんよね。ホモミキサーは、分離・沈殿を避ける働きを持っています。乳化をきちんとすれば、研究・実験分野でも助かるでしょう。

また、乳化が成功すれば料理もおいしくなると言われています。そのため、食品製造工場でもホモミキサーは大活躍しているのですよ。

1-3.幅広い業界での活躍

乳化するために必要不可欠なホモミキサーは、さまざまな業界で大活躍しています。いったいどのような業界で使っているのでしょうか。代表的な例は、化粧品業界や製薬業界、食品業界ですね。化粧品業界では、クリーム・ローション・口紅・シャンプーなど、幅広い製品をつくるときにホモミキサーを使っています。より液体同士を混ぜ合わせることで、質の良い製品をつくることができるのです。

また、製薬業界では軟骨やシロップ、インジェクションに使用しています。食品業界では、マヨネーズ・ジャム・バター・マーガリン・ドレッシングなどの製造に大活躍です。主に、乳製品での使用が目立つでしょう。ほかにも、化学工業で合成繊維やポリエステルの製造に利用しています。さまざまな業界でホミミキサーが活躍していることを覚えておくと良いでしょう。

ホモミキサーは乳化のために液体同士を混ぜ合わせる機械なんですね。
はい。効率的な乳化が可能です。

2.ホモミキサーの原理

2-1.ハンドミキサーと同じ原理

お菓子をつくるとき、泡を立てるためにハンドミキサーを使う人が多いのではないでしょうか。液体同士を混ぜ合わせたいときに大活躍するハンドミキサーですが、ホモミキサーの原理と近いところがあります。ホモミキサーの原理となると難しい言葉ばかり出てくるでしょう。専門的な知識がある人でないと、なかなかうまく原理をのみこむことができません。

そこで、簡単にイメージできるのがハンドミキサーの原理です。ハンドミキサーは、高速に回転することで液体の沈殿を防ぐことができます。液体を乳化することが可能になるのです。ホモミキサーも超高速回転式が出てきているように、回転円板や固定円板をスライド回転によって、乳化できるでしょう。

メーカーが発売している製品によって原理は異なりますが、ほとんどはハンドミキサーと同じ原理だと思っておいてください。やろうと思えば、ハンドミキサーを使ってモイスチュアクリームもできるでしょう。

2-2.さまざまな種類があるホモミキサー

エアーモーターホモミキサーや電気式ホモミキサー、卓上ホモミキサー、アジホモミキサー、オクラホモミキサー、インラインホモミキサーなどさまざまな種類があります。また、メーカーによっても構造や仕組みが異なるので、さまざまなホモミキサーをチェックすると良いでしょう。用途によって適切なホモミキサーを使わなければ意味がありません。それぞれ、乳化だけでなく、高粘度原料の処理や入っている液体の分解、均質な乳化ができるなど、さまざまな特徴を持っているのです。

最近のホモミキサーにはオプションもついています。運転記録計や自動給水システム、シリンダー下降防止用安全装置など幅広い機能も要チェックですよ。

ホモミキサーの原理はハンドミキサーと同じなんですね。
はい。色々な種類があります。

3.ホモミキサーとホモジナイザーの違い

3-1.ホモジナイザーとは?

ホモミキサーと名前が似ている「ホモジナイザー」とは、どのような機械なのでしょうか。一般的に、ホモジナイザーは牛乳を均質化するための装置です。詳しく説明すると、不溶性物質を微粒化します。そして、液体の中に均一に分散することで安定した液体をつくることができるのです。つまり、脂肪球を小さくすることができるでしょう。

クリームなどの乳化剤が入っている固形状の乳化物を浮くのを防ぎます。牛乳の脂肪球は1つが大きく、不ぞろいになっているのが特徴的です。そのままにしてしまうと、自然に固まるでしょう。固まったものは生クリームになります。生クリームが浮かび上がるのを防ぐために大活躍するのが、ホモジナイザーと思っておきましょう。ホモジナイザーは、英語でホモジナイズ(均質する)と言う意味からきています。

3-2.乳化方法として使われるホモジナイザーとホモミキサー

ホモミキサーとホモジナイザーは、同じくくりで認識されていることが多いです。乳化方法・分散型乳化法として使っています。基本的に、ホモジナイザーは物質の中にある粒子を細かく砕き、均一化するでしょう。

一方、ホモミキサーはミキサーのような原理で液体同士を混ぜ合わせることを目的としています。大きな違いは、それぞれの「目的」にあるのではないでしょうか。脂肪球が大きいものを細かくして均一化したいのであれば、ホモジナイザーを使います。そして、液体同士を混ぜ合わせたい場合はホモミキサーを使うと思っておいてください。どちらも、製品を製造する工場や研究・実験室で必要不可欠な機械になっています。

ホモジナイザーは固体も分散化させることができるんですね。
はい。より用途が幅広い機械です。

まとめ

ホモミキサーの特徴や原理、ホモジナイザーとホモミキサーの違いについて説明しました。難しい機械だと思ってしまいがちですが、特徴や原理をきちんと把握しておけば役立つ知識になります。ホモミキサー・ホモジナイザーと使う現場で働いている人にとっては、必要不可欠な知識になるでしょう。

  • 液体同士を混ぜ合わせる機械
  • 効率的な乳化が可能
  • 幅広い業界で大活躍している
  • ハンドミキサーと同じ原理
  • 種類によって特徴やオプション機能が異なる
  • 粒子が大きい物質を均質化できるホモジナイザー
  • 違いはそれぞれの「目的」にある

以上は、ぜひ押さえておきたいポイントになります。