ホモジナイズとはいったい何のこと? ホモジナイズを行う方法は?

舌触りのよい食品や、肌の上でさっと伸びる化粧品は人気があります。この舌触りや、伸びの良さにを作るには「ホモシナイズ」が欠かせません。
では、このホモジナイズとはいったい何でしょうか?

そこで今回は、ホモジナイズの方法や、メリットをご紹介します。物質をホモジナイズする際は、細胞破砕を行うことがありますが成分に影響はないのでしょうか?興味がある方や、ホモジナイザーの導入を考えている企業の担当者の方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. ホモジナイズとは?
  2. ホモジナイズを行う方法は?
  3. ホモジナイザー導入したい場合は?

1.ホモジナイズとは?

この項では、ホモジナイズとはいったい何かということをご説明します。私たちも知らずにホモジナイズを行っていることがあるのです。

1-1.物質をホモジナイズするとは?

ホモジナイズを日本語に訳すと、「均質化」という意味です。均質化とは、物質の中の成分の大きさをそろえるということ。牛乳でわかりやすく解説しましょう。牛乳の中にはタンパク質や脂肪が含まれています。この2つの成分は大きさが違うのです。ですから、しぼりたてで全く何もしていない牛乳を放っておくと、牛乳の表面に脂肪分がクリーム状に浮いてきます。

このような牛乳は飲む分には問題ありませんが、舌触りが悪く料理などにも使いにくいです。ですから市販の牛乳は「ホモジナイザー」という機械にかけて脂肪分を細かくし、牛乳の成分を全体で均一化しています。機械にかけるといっても、大きい細胞を細かく砕くだけですので栄養的には何ら変わりがありません。

1-2.ホモジナイズは昔から行われてきた?

ホモジナイズのやり方や効果はわからなくても、人類は昔からホモジナイズを行ってきました。最も手軽なホモジナイズのやり方は「かき回す」ことです。チーズやバターを作る際は、まず牛乳をよく撹拌させます。これで牛乳の中の成分を均一化することで、品質が良い乳製品を作るのです。

また、その他の料理でもかき混ぜることが大切、というものは多いでしょう。特になめらかさを求められる料理は、作業工程によくかき回すという項目が入っています。

1-3.ホモジナイズのメリットは?

ホモジナイズのメリットは、単に舌触りが滑らかになるだけではありません。ホモジナイズを行った化粧品は肌の上で伸びがよく、有効成分が浸透しやすいです。特にたくさんの効果をうたった化粧品ほどいろいろな成分が入っていますので、ホモジナイズは欠かせません。

さらに、医薬品の分野でもホモジナイズが大活躍しています。薬は何種類もの成分が入っていますが、飲み薬の場合はそれらが一斉に胃の中でとけなければ正しく作用しません。ですから、薬をホモジナイズして、成分を均質化するのです。

また、ご家庭に普及しているインクジェットプリンターに使用されるインクも、ホモジナイズを行うことにより綺麗で鮮やかな発色が可能になりました。つまり、私たちの生活用品の中にはホモジナイズの恩恵を受けたものがたくさんあるのです。

ホモジナイズとは、成分を均一化することなんですね。
はい。攪拌(かくはん)という手段で昔から行われてきたことです。

2.ホモジナイズを行う方法は?

では、ホモジナイズを行うにどうしたらよいのでしょうか? この項では、ホモジナイズを行う方法をご紹介します。

2-1.かきまわす

最も手軽にホモジナイズを行う方法です。どんなものでもよくかき混ぜれば、一時的にも混ざり合って均質化するでしょう。家庭で舌触りが滑らかな料理を作りたい場合は、今よりも材料をかき混ぜる時間をもう少し増やしてみましょう。また、菜箸でかきまわしていた方は、泡だて器をつかうとより舌触りが滑らかになりやすいです。

2-2.ホモジナイザーを使う

しかし、手動でかき混ぜて物質の均一化を図るには限界があります。加えて長時間一定の力やリズムでかき混ぜることはできません。ですから食品会社や化粧品会社などで、たくさんの製品を一度にホモジナイズしなければならない場合は、「ホモジナイザー」という専用の機械を使います。ホモジナイザーは圧力をかけたり超音波を利用して、物質を均一化するのです。今は技術が進んでいますから、より物質の粒子を均一化できるようになり高品質な品物を作れるでしょう。

また、ホモジナイザーには用途に合わせていろいろなサイズがあります。たくさんの物質を一度に均一化できる大型機械もあれば、研究所などで少量の物質をホモジナイズしたいときに使う卓上型のものもあるのです。ですから、用途に合わせてホモジナイザーを選ぶことが大切でしょう。

ホモジナイザーという専門の機器もあるんですね。
はい。ホモジナイズ処理が必要なところでは導入されています。

3.ホモジナイザー導入したい場合は?

では最後に、ホモジナイザーの導入を考えている企業の方向けに、ホモジナイザーを選ぶポイントをご紹介します。

3-1.どの程度の均質化を求めているのか明確にする

ホモジナイザーにはいろいろな種類があります。ですから、まず「どのような物質」を「どの程度均質化したいのか」を明確にしておきましょう。メーカーもおすすめの機械を絞りやすいです。

また、古い機械を使っている方は、同じ値段でもっと高品質のホモジナイザーがあるかもしれません。ある程度年月が経った機械は、メーカーに買い替えを相談することをおすすめします。

3-2.カタログで見るだけでなく実際に説明を聞いてみる

ホモジナイザーの導入を決める際にはカタログを見るだけでなく、実際にメーカーによる説明を聞いてみてください。今はホームページを開設しているメーカーも多いですから、そこからメールで申し込むこともできます。カタログを見るだけではわからないこともたくさんあるでしょう。ホモジナイザーはそれなりの値段がする機械です。使い方だけでなく、消費電力や効果などもしっかりと説明を受けてから導入を決めれば、失敗もありません。

また、ホモジナイザーを製造、取扱しているメーカーは多いです。どの業者にするか決めかねているときは、複数のメーカーの担当者から機械の特徴を聞いてみるとよいでしょう。さらに、機械の質だけでなくアフターフォローも大切。性能が良い機械でも、頻繁に故障していては役に立ちません。不具合があった際にはすぐにフォローしてくれるメーカーに依頼しましょう。

なお、導入の際に詳しくメンテナンス方聞いておいてください。メンテナンスが悪いと、丈夫な機械であっても故障しやすくなります。毎日機械を使う場合は、メンテナンスのしやすさも選ぶ基準になるでしょう。

メーカーに相談するのが一番いいんですね。
はい。疑問に思ったことは何でも尋ねてください。

おわりに

今回は、ホモジナイズの方法やメリット、さらにはホモジナイザーを選ぶポイントについてご紹介しました。

まとめると

  • ホモジナイズとは物質を均質化すること
  • ホモジナイズは身の周りの品にたくさん利用されている
  • ホモジナイザーにはいろいろな種類がある

ということです。

「ホモジナイズ」という言葉は聞きなれていなくても、均質化は私たちがごく普通に行っています。また、最近は自然のままの「ノンホモ牛乳」なども発売されていますから、「ホモジナイズは健康に影響があるのでは?」と心配する人もいます。しかし、前述したようにホモジナイズ自体は人類が昔から行ってきたことであり、健康に何ら影響はありません。安心してください。

ホモジナイズされていない牛乳は、自然の風味が楽しめますが、加工するには不向きです。ですから一概に「ノンホモ牛乳の方が良い」とも言えません。シチュエーションに合わせて選ぶことが大切でしょう。